御曹司さまの独占愛 《 07

(力が……入らない)

 脚は自分のものではなくなってしまったように、動かない。自分の意思では動かせないのに、和臣が触れている箇所だけは異様に熱を持っている。彼の手のひらが熱いのか、あるいは自分自身が過剰に意識しているせいなのか。どちらにせよ、若菜に逃げ出すという選択肢はなかった。
 和臣は若菜のようすを静観していた。彼女が動かないと見るやいなや、両手をなまめかしくうごめかせる。太ももの内側を付け根に向かって手のひらをそろりそろりと走らせる。

「……っ、ふ」

 若菜は口もとを押さえて和臣を見おろす。脚が動かないのならばせめて口で「やめて」と言えばいいのに、そうしないのはなぜだろう。

(もう……わからないままでいい)

 考えることを放棄してしまったのは、彼の手が心地よいせい。脚の付け根の、ふだんは秘めるべきそこをじいっと見つめられ、羞恥心のタガが外れてしまったように思う。そうなればあとは堕ちていくだけだ――快楽の蜜沼へと。
 和臣の骨張った指が秘芯をそっと撫でたどる。

「ふぁあっ……!」

 自分でも触ったことのないそこを指で押され、体の中に雷を落とされたような衝撃に見舞われる。彼の指が触れたところを核にして頭のてっぺんや足先に向かって電流が走る。そんなふうに感じた。

「喘いでいるきみも……いい」

 なにかに囚われたように恍惚とした表情を浮かべた和臣が話し始める。

「ひたむきに僕に仕えてくれるきみがずっと好きだった。無欲で、純粋で……でもだからこそ、思うままに穢してみたいという欲求が日に日に強くなっていった」

 若菜の小さな豆粒をなぶる指が激しさを増していく。

「ああ……純真無垢なきみからいやらしい蜜がこぼれ出ている」

 キュッとと強く敏感な花芽をつままれれば、「ひぁっ!」と恥ずかしい声が出て体が跳ねる。

「男を誘う愛蜜が、次から次に――とめどなくあふれてくる」

 和臣は若菜の蜜口からこぼれ落ちた愛液を指で掬い、それをおもむろに口もとへ持ってきて見せつけるように舐め上げた。

「――っ!!」

 羞恥心のタガは外れてしまって、もうこれ以上のことはないと思っていたのに、顔から火が出てしまうのではないかと思うほどだった。
 頬が、耳が熱い。心臓はどこまで速く脈を打つのだろう。このまま心拍数が上がっていったら、意識を失ってしまうのではないか。

「あぅっ……う、んんっ……!」

 彼の指先が、今度はぬめりけを帯びてふたたび下半身の小さな豆粒をいじり始める。

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