秘されし、その甘やかな救済 《 第三章 16

「ふぁ、あ……っ」

 口もとは押さえていても声が漏れ出てしまう。恥ずかしそうに顔を伏せるラティーシャの服をマティアスは脱がせにかかる。

「すべて見たい。舐めまわすのが叶わないのならば、この目にきみのすべてを焼きつけたい」

 マティアスの言葉を聞くなりラティーシャは大きく息を吸った。
 ――何てことを言うの!
 火がついたように全身が熱くなる。いや、マティアスによって羞恥心に火をつけられたのには違いない。
 うろたえるラティーシャをよそにマティアスはどんどん彼女の長衣を脱がせていく。長衣はラティーシャの体からするりとたやすく抜けた。下着もまた彼の手によってあっという間にはぎ取られてしまった。

「あ……」

 雲の上のベッドで、一糸まとわぬ姿でいるのはどうにも居心地が悪かった。どこかへ隠れてしまいたいけれど、ここにはベッド以外なにもない。ラティーシャは先ほど神になにを誓ったのかをすっかり忘れて、自身の体を両手で覆い隠して固く脚を閉じる。

「そうして隠されると、かえって暴きたくなる」

 なにもかもを見透かすような、澄みきった碧い目を細めてマティアスはラティーシャの脚を左右にこじ開けようとする。

「や、ぁっ」

 なおも抵抗するラティーシャの唇に、マティアスは荒々しく口づける。

「ふっ――!」

 いきなり焦熱の舌が入り込んできたものだから、否が応でもそちらに意識を奪われてしまう。そうしてゆるんだ脚をマティアスはすかさず左右に割り、秘芯を指でまさぐった。

「ンッ、ンンッ……!」

 絡め取られた舌も、それから下半身の秘粒も彼のいいようにそれぞれもてあそばれる。いつの間にかマティアスの片手が乳房にも添っていた。どうやら両腕の力も抜けてしまっていたらしい。
 マティアスは薄桃色のつぼみを丹念に指で押し揉みながら脚の付け根にある花芽をもう片方の指先でひねりまわす。

「んふっ、ん、んぅっ――!」

 いっぺんにそんなふうにされて、快感のうねりがすさまじい勢いで駆け上がってきた。それが弾けるまでに大した時間は要さない。

「ん、んっ……」

 ラティーシャはビクン、ビクンと体の奥底を震わせて脱力する。マティアスはゆっくりとラティーシャの舌を解放して彼女を見下ろした。秘裂をツウッと撫で、その下の小さな口に指を沈める。

「よく濡れている……が、きみのここに俺のものをうずめるのは婚姻が成ってからにする」

 マティアスの長い指先が肉粒をつまむ。ラティーシャは小さく「んっ」と嬌声を漏らした。

「そのときまで……いや、そうなってからもそうだが。存分にきみを味わわせてもらうとしよう」

 不敵にほほえむマティアスに、ラティーシャはとっさに言葉を返した。

「わ、わたしも……マティアスさまを味わいたい」

 されるばかりではいやだ、不公平だ。そんな想いが急に強くなった。ラティーシャは彼の首に腕をまわし、驚いたような顔をしているマティアスの唇を塞ぐ。
 あまりにも性急だったせいか、歯が少しだけぶつかってしまった。ラティーシャが謝ろうと唇を離すと、マティアスは彼女の頭をかき抱いてふたたび口づけた。
 口づけはどちらからともなく深くなっていく。

「ん、んん――」

 永久を思わせる秘密の空間で、ふたりは甘く淫らに互いを貪り合う。

FIN.

お読みいただきありがとうございました!
イザベラとオズウェルのスピンオフを予定しております(近親ものですのでご注意ください)。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

熊野まゆ

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