陵辱の王立図書館

ジュリア・ストラルグは姿見の前で真新しい司書服に袖を通していた。真っ白なブラウスに真っ赤なリボン、紺色のブレザーとスカートは上質の生地で、身に付けただけで心身共に引き締まる。
紅い髪を榛色のリボンで高く結い上げ、クルリと一回転してもう一度 全身を確かめてから無駄に広い自宅を出た。


「おはようございますっ、ルーファスさん」

「おはようジュリアちゃん、早いね」

今日は初出勤だけど、就職する前から図書館に通いつめていたジュリアは司書の面々と顔見知りだった。いま目の前に居るのはジュリアよりも五つ年上の司書、ルーファス。ダークブラウンの髪の毛が陽光に眩しく光っている。

「ルーファスさん、何を読まれてるんですか」

窓際の席に腰掛けて本を開いていた先輩司書に近づき、ジュリアは隣に腰掛けた。

「ん、官能小説を少々」

「え」

貴公子のような微笑みには似つかわしくない言葉を聞いて、ジュリアは身を強張らせた。

(朝からそんなものを読んでるなんて)

隣に座ってしまったことを後悔した。彼が読んでいる本を直視出来なくて、ジュリアは正面を向いたまま俯いた。

「ジュリアちゃんはコレ、読んだことある?」

「なっ、ないです……っ」

「いけないなあ、君は今日からこの図書館の一員なんだから、蔵書は全て把握しておかなくちゃ。ホラここに座って、読み聞かせてあげる」

「へっ!? え、あの……っ」

身体がフワリと宙に浮いた。そんなに力があるようには見えないのに、軽々と抱え上げられてしまい戸惑っていると、ルーファスの膝上にストンと下ろされた。

「それじゃ、初めから読むよ」

「っ、ルーファスさんっ、何するんですか……っ!」

「んーー?」

家を出る前にきちんと結んだリボンを片手で解かれ、ジュリアは振り返って驚愕の眼差しを向けた。

「実践しながらの方が身に付くでしょ。大丈夫、気持ち良いからラクにしてて」

「な、な……っ!? あ、の……っちょ!」

猫にするように片手で顎を撫でながらルーファスはもう片方の手でブラウスの前ボタンを外している。両手で彼の腕を掴んだけどビクともしなくて、コルセットが露わになったところでジュリアはいよいよ焦り始めた。

「ルーファスさん、止めて……っ、お願いだから……っぅ!」

「ダメだよジュリアちゃん、先輩の言うことには素直に従わなくちゃ。これも新人教育の一環です」

(ウソ、こんなの教育なわけ無い)

コルセットの紐を解かれて行くのを、ジュリアは何とか阻もうとしていたが、抵抗虚しくジャケットと一まとめに肩からズルリと落とされてしまった。

「綺麗なオッパイだね。もぎたての果実みたいに瑞々しい」

「み、見ないで、下さ……っあ、いや……っ!」

ルーファスはジュリアの豊満な乳房を両手で下から上に持ち上げ揺さぶった。真っ白な大きな二つの膨らみはグニャグニャと揉み込まれて形を様々に変えている。

「アレ、先端が尖ってきた。触ってもいないのに」

「はふ、ぅ……っ」

触ってもいないと言うのは語弊がある。ルーファスは乳首の付け根を指の間で挟んで捻っているから、確かに先端には触れていないけど、刺激は与えられているのだ。

「ジュリアちゃんは、こういうコトされるの初めて?」

「……っぅく」

ジュリアは かむりを縦に何度も振った。初めてだと分かれば止めてくれるかもしれないと思った。

「良かった。僕、乙女を穢すのが大好きなんだ」

「な……っ!? ぁ、いや……っ!」

彼の手がスカートを捲り上げドロワーズ越しに脚の付け根を掠めた。その瞬間、ゾクリと悪寒のようなものが全身を突き抜けた。

「ココ、何だか湿ってる。胸を触られて感じちゃった?処女なのにエッチだね」

「や、だ……っ、止めて……っ、いや、あ……ッ」

円を描くようにゆっくりと秘所を撫で回され、もたらされる初めての快感にジュリアは身悶えし、未知の感覚に恐ろしくなった。

「そろそろこの硬い蕾も触ってあげるよ。下の花芽と一緒に」

「っひ、あ、ああっ!」

膨らみの尖った先と、割れ目の先の小さな突起をきゅうっと指で摘ままれ、ジュリアは四肢を大仰に跳ねさせた。リズムをつけて こね回されると、下肢が痺れたようにむず痒くなってくる。

「腰がクネクネ動いてるよ。気持ち良いの?」

「っふ、う、くふ……っん」

高く結い上げられているジュリアの髪の毛を縛るリボンをルーファスは口で紐解く。紅い髪が鮮やかなピンク色の乳頭にフワリと掛かった。

(やだ、やだ……私、変になってる)

性感帯も紐解かれているようだった。首筋を這う舌を気持ち良く感じてしまうなんて、本当にどうしてしまったのだろう。今日は栄えある初出勤だと言うのに、朝からこんな淫らな行為をされて悦んでいるなんて。

「ああ、君の愛液が僕の制服にまで滴ってきたよ。蜜壺の中も掻き混ぜてあげるね」

「や、やめ……ぁ、あ!」

膣口から挿し入れられた指は媚肉を艶かしく撫でた。自分でも触れたことの無い箇所を弄られて気持ち悪いからなのか、四肢が痺れてきて小刻みに震え始める。

「っひ、ぁ……ああ、んぅ、く……っ!」

「ジュリアちゃんの中はすごく狭いね。必死に僕の指を咥え込んで、絡め取ろうとしてる」

「や……いゃ……っ、ゆび、抜いて……っぁ、あ」

ルーファスは中指で肉襞の中をゆっくりと掻き回し、親指で肉芽をツンと突ついて刺激した。乳頭は触れずとも尖り切っていて、彼はそれを指の間で挟んで乳房を揉みしだいた。

「美味しそうに蕩けてる。舐めてもいい?」

「な、なに……を……っひぁ!?」

抱え上げられ、テーブルの上に座らされる。これだけでも背徳的で居た堪れないのに、大きく脚を開かれてジュリアの目尻には涙が浮かんだ。

「っゃ……いやぁ……ッ!」

「綺麗な花びら。ここに口付けるのは僕が初めてなんだよね」

悦に入った表情で囁き、ルーファスの真っ赤な舌が花芯を舐め上げた。

「あああっ! ……っん、んく……っ」

舐められている小さな突起に全神経が集まっているのではないかと錯覚した。それくらいの強い快感がジュリアを襲っていて、上半身の蕾を指で摘ままれながら花芽を何度も舌で蹂躙されると、込み上げてきた何かが弾けて身体を痙攣させた。

「何が起こったのか分からないって顔だね。イクのも初めてなんだ?」

「ぁん……っ!」

脈動する下半身の花芽をちゅうっと吸い上げられる。

「良い感じに濡れてる……そろそろ挿れちゃおうかな」

トロトロの液体が机を濡らしていた。それが自身の身体から排泄されたものだとは認めたくなくて目を伏せていると、いつの間にかルーファスも机の上にのぼっていて、蜜口に硬い一物を押し当てられていた。

「やっ……やだ、やめて下さい! こんなところで……っ」

「そうだね、こんなところで終わりになんて出来ないよ。君の中に僕のをぶちまけるまでは」

「い、いや……あ、ア……ッ!」

怒張はジュリアの媚壁を無遠慮に押し開く。かつてない強烈な痛みも同時に襲ってきて、心身ともに悲鳴を上げていた。

「っく、せまい……ジュリアちゃん、もう少し力を抜いて」

「は、ぅ……っく、ぁ……ん、ん」

下半身とは反して柔らかい感覚が唇を見舞う。ルーファスの口づけは優しく感じた。普段と変わりない彼を演出しているようだった。そのせいか、ジュリアは一瞬だけ下半身の痛みを忘れて不乱に唇を合わせる。

「良い子だね……そのまま、リラックスして」

「……っ、あ、ひぁぁっ!」

安息の時はすぐに去って、再び痛覚が蘇る。おそらく膣の一番深いところにまで彼の肉棒は届いている。

「いやぁ……も……、抜いて……っ」

「すぐに良くなるから、もう少しの辛抱だよ」

さとすような口調に憤りを覚えたものの、彼の言う通りだった。緩々と前後する雄棒は次第に馴染んで、リズムが出来上がる頃には痛みよりも快感が勝っていた。

「ほら、気持ち良くなってきたでしょ……」

耳を掠める吐息は熱く、あまりに近くで囁かれたものだから身震いした。その直後、にゅるりと耳の中にまで舌が入ってきた。

「や……いや……ぁ、ん……!」

「可愛い声。君のそんな声がずっと聞きたかったよ。ますます好きになっちゃうな」

好きだなんて、軽口にしか聞こえなかった。本当に好きなら、はえある初出勤の早朝からこんなことをするはずがない。それとも、これが彼の愛情表現なのだろうか。

(こんなのおかしい。受け入れられないーー)

そう思っていたのに、ジュリアの身体は激しく突かれて淫らに揺れている。

「ああっ、ゃ…ぁ、っふ……ん、んぅッ!」

乳首を押し潰され、下半身の肉芽は摘まんで引っ張られる。ジュプ、ジュプッという日常とは かけ離れた水音が館内に響く。

「ん、もう……いくよ……中にいっぱい出してあげるからね」

「な……!? ゃ、待って……だめ……っ」

「どうして?せっかく君の処女をもらったんだ、中に出さなきゃ意味がない」

その理屈には賛同できないし、理解もできない。ジュリアは首を横に振りながら、何とか彼の陰茎を身体から引き抜こうと後ずさった。

「逃がさないよ。受け入れて」

「やっ……いやぁっ!」

身動きが取れないくらいに上半身を押さえつけられ、すぐに下半身には何かが満ちていった。吐精、されたのだ。

「あ……」

呆然と彼を見上げる。ルーファスは微笑むでもなくジュリアを見下ろしている。

虚無感を覚えた。この行為には愛がない。野生の動物がするように、いや、もしかしたら野生動物にだって愛し合うという感覚があるのかもしれない。
ジュリアはただ単に、射精されただけだった。

「……さ、そろそろ皆が出勤してくるね。服を着ようか」

身体に力が入らなかった。丁寧な手つきで服を着せられ、机から下ろされる。椅子に座り込むと、ルーファスが顔をのぞき込んできた。

「平気? 今日は帰ってもいいんだよ。僕から館長に言っておくから」

ふつふつと怒りが込み上げる。憧れていた先輩も、憧れていた職場も、自分自身も穢れてしまった。

「帰りません。私は、ここで働くことが夢だったから」

「そう。じゃあ……落ち着いたら、事務室に来てね」

人形のように感情の読めない表情で微笑むルーファスを横目に見ながら、ジュリアは ぎゅうっと拳を握り締めた。

***

最悪の初出勤となったその日の閉館間際、ジュリアは一人で閉架書庫の整理をしていた。これは仕事というよりも趣味だ。一般客だった昨日までは入れなかった書庫に入ることができて、ジュリアは浮かれていた。

(ああ、幸せ……どれを読もうかな)

今朝の出来事なんてすっかり忘れて、ジュリアは古い書棚を物色していた。すると、ギイッと入り口の鉄扉が音を立てて開いた。

「シリルお兄様……いえ、館長」

「今は二人だけだから、いつもの呼び方で構わないよ」

シリル・ラガルドは王立図書館の館長であり、親友の兄でもある。幼い頃から知っている間柄だ。

「おめがねに叶う本は見つかった?」

そう言って微笑み、シリルは部屋の鉄扉を閉めた。吹き込んだ風で白銀髪が揺れる。ジュリアが仕事をしていないのは既に知れているようだ。

「えっと、すみません……働きもせずに」

手に取っていた本を書棚に戻そうとすると、

「気にしないで。君が本が大好きなのは分かっているから。さて、どんな本を読もうとしてたのかな。見せてごらん」

シリルは首元のクラヴァットを緩めながら近づいてくる。ジュリアが振り返るのと、シリルが書棚に手をついたのは同時だった。
魔道式ランプの薄明かりを閉ざすようにシリルはジュリアを囲っている。

「今朝はずいぶんと早く出勤したみたいだね、ジュリア」

「あ……え、と……はい」

本を胸元に抱いたまま見上げる。金色の瞳は普段より陰って見えた。

「とても可愛い喘ぎ声だった。もう一度……俺だけに聞かせてくれる?」

ドクンドクンと心臓がうるさく脈打ち始める。

(見られてたーー……!?)

ゆっくりと頬を滑っていく彼の手。冷やりと感じるのは、顔の血流が増して熱くなっているからだろうか。

「あの、ごめんなさい……っ、図書館で、あんなこと……」

「はは、どう考えても謝るのは君じゃ無いよ。悪いのはルーファスだ。無理やり君を犯したんだから。でも参ったよ。最後の方は君も気持ち良かったんだろう?そんな顔をしていた」

ジュリアは顔を歪ませた。シリルは一部始終を見ていたのだ。だったら、なぜーー。

「なんで止めてくてなかったんですか!? 私……っ」

「君がいけないんだ。まだまだ子どもだと思ってたのに、すっかり女性らしくなってしまったから。特に、ここが」

手に持っていた本を取り上げられ、無防備になった胸元にはすぐに彼の手が伸びてきた。司書服の上から膨らみをわし掴みされる。
ジュリアは何も言葉を発することが出来なかった。信じられないのだ。兄のように慕っていた彼に胸を揉みくちゃにされている現状に、頭がついていかない。

「い、や……シリル、お兄様……っ、やめて下さい!」

事実を受け止め、抵抗を試みる。このままでは今朝の二の舞になってしまう。ありったけの力を込めて彼の両腕を掴んだ。だけどいささかも抗えていない。シリルはジュリアの司書服を瞬く間に脱がせてゆく。

「小柄な体躯には似つかわしくない胸だ」

「あ……っ!」

ずり下がったコルセットの端から乳房が顔を出し、すぐに両手で覆われる。それがあまりに勢いがあったから、ジュリアは書棚にトンッと背をついた。

「や……やめ……ん、っふ」

「本心を言ったらどう? 先端が いやらしく勃ってきたよ」

指の間に挟まれた乳首は硬く尖っている。下半身にも潤みのようなものを感じ始めて、ジュリアは自身が恐ろしくなった。

(私……“あの”悦びを覚えてしまったの……?)

蘇るのは今朝の生々しいしい記憶。思い出したのは秘部を貫かれた痛みだけではない。蜜壺は男根を求めて濡れているのだ。

「あ……っん! んぅ……っ、だ、め……っふ、はぅッ」

シリルは上半身の蕾を指で捻りながらスカートを捲り上げ、ドロワーズの中にも指を滑り込ませた。

「ほら、こんなに濡らして……俺のを欲しがって、いけない子だね」

「んぁぁっ! ……ん、あふっ……ぅ!」

膣肉を突き上げた指は中の蜜を掻き出すように激しく上下していた。ぐちゅっ、ぬちゅっという淫猥な音は更に性欲を煽っていく。

「あ……っや、だめ……そこ、いやぁっ!」

彼の親指が蜜に濡れた莢(さや)を払って中の花芽に触れた。媚肉を掻き乱されながら同時にそこに触れられると、四肢の先端が もどかしく痺れてくる。

「陰核を弄られるのが好きなんだね? 仕方ないな」

シリルは身を屈め、床に膝をついた。彼が何をしようとしているのかすぐに察しがついて、ジュリアは「いや!」と叫びながら陰部を手で覆った。

「やれやれ、君は昔から本当に強情だ。俺に身を任せてくれればもっと気持ち良くなれるのに」

「ん……っ」

蜜壺の中の異物が無くなる。シリルは なぜか締めていたクラヴァットをシュルリシュルリと外していった。乱れてしまった衣服を整えようとしていると、

「っ……!? や、何するんですか……っ!」

両腕を掴まれ背中の方へ持って行かれ、クラヴァットで一まとめにされて、胸を突き出すような格好になってしまった。シリルは再び脚を折り曲げ、ジュリアのドロワーズをズルリとくるぶしのあたりまで引き下げた。

「脚、震えてるね……大丈夫、怖がらないで。君はもう破瓜の痛みに耐えてるんだから」

「いや……っ!」

スカートの中に顔を突っ込まれる。何をされるか分からない恐怖、両腕が使えないせいで何をされても抗えない焦燥がジュリアを支配していた。
それが新たな官能を拓いていることを、ジュリア自身は気づいていない。

スカートの中でモゾモゾと動く彼の髪の毛がジュリアの陰毛に当たる。くすぐったいけど、だからと言って笑えるような状況ではなかった。

「愛液が溢れ出てるよ。スカートの中をのぞかれて興奮してるのかい?」

「ち、が……ぁ、ぅ……ッ」

再び蜜壺に挿し込まれた指はお腹側を執拗に突ついていた。ズンッ、ズンッと突かれる度に身体は甘く おののき、それは紛れもない快感だった。その上、花びらの奥にある肉芽を舌で舐め転がされ、

「っや、あ、ああーー……!」

身体は脈動している。達してしまったのだ。彼がスカートの中に顔をうずめてからまだほんの少ししか経っていないのに、ジュリアは快感を極めてしまった自分に愕然とした。

「感じやすいみたいだね。そろそろ俺のを突っ込んでもいいかな」

さらけ出された男根は大きくそそり立っていた。ジュリアは目を逸らす。指では物足りないのだとは認めたくなかった。

「もう、やめて下さい……私が知ってるシリルお兄様は、こんな……っ」

「こんな野蛮な男じゃ無い、とでも言いたいのかな。それなら君だってそうだ」

両肩を掴まれクルリと回転させられ、視界には書棚しか映らなくなった。

(まさか、立ったままーー……!?)

腰を引かれながら、熱く たぎった楔を捻じ込まれる。肉襞を拓いていく彼の雄棒は太く、裂くような痛みを伴ったものの、すぐに馴染んで最奥まで達した。

「あ、んん……ッ!」

「美味そうに俺のを咥え込んでるじゃないか。君がこんなに淫乱だなんて驚きだよ。少し前までは、本が大好きな純真無垢な少女だったのに……どうだい、書棚を見ながら突かれるのは良いだろう?どれを読むか考えることができる」

律動は乳房が揺れるほどに激しい。それどころでは無いのは彼も分かっているはずだ。わざとらしい物言いが鼻につくけど、ジュリアは何も言い返せず はしたなく喘ぐばかりだった。

「こんなに大きな胸だ、揺れていては痛いだろうね。支えていてあげる」

「っや、あ……ああっ、んっ!」

わし掴みされた両方の乳房の先端に彼の人差し指が沈み込む。グリグリと押し潰されても痛みは感じず、言いようのない快感が突き抜けていく。

「ああ、良いね……きつく締まっていて堪らないよ、君の中は……。もう放ってしまおうかな」

焦らすように緩く抜き差しされる。こちらがねだるのを待っているのだろうか。だけどジュリアは首を振って抗った。乳首をこね回されても、花芽を指で弾かれても屈しなかった。

「全く、頑なだね。だけどそこが君の長所でもある」

「アアッ! ……は、ふぁぁ……っ」

頬が本の背表紙に張り付く。後ろからの激しい攻めによって身体は書棚に押し付けられ、そうかと思うと身の内に脈動を感じた。

「はぁ……はぁ……」

どちらともない吐息が響く。秘部から溢れて床に滴り落ちた白濁液を、ジュリアは涙で霞む瞳で見つめた。

FIN.

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