朝食を終えて食器を洗っているときだった。
「リルは働き者だね」
ほぼ裸の王子様オーガスタスがうしろからリルをのぞき込んできた。
吐息がかかりそうな位置に彼がいるのが落ち着かないが、食器を洗う手は休めたくない。今日はこのあと薬草を摘みにいく予定だから、早く片付けてしまわなければ。
「働き者っていうか……。ほかにやってくれるひとがいないんだから、仕方ないじゃない」
「じゃあリルは嫌々やってるの?」
「うーん……。この森に住み始めたときは不慣れでうまくいかなくて、嫌になることもあったけど、いまはそうでもないわ。それなりに楽しい」
「じゃあやっぱり働き者だ。ところでリル、僕がさっき言ったこと実行してよ」
「………」
リルは振り返らずに無言を貫く。朝食のときに彼がつむいだ虚言は覚えているが、しらをきる。
「ねえ、リル。聞いてる? 僕が言ったこと、覚えてない?」
「さあ、なんのことかしら」
「裸にエプロン、だよ」
「っ、するわけないでしょう!?」
「ちぇ……」
「――っ!?」
ずしりと肩が重くなった。オーガスタスは背後からリルの体に腕をまわし、頭を肩にあずけている。
「邪魔なんだけど」
リルが言うと、彼はすぐに離れた。
(やけに素直ね……?)
怪訝な顔でななめうしろのようすをうかがう。
「じゃあ邪魔にならないように、ここだけ揉ませて」
「ぎゃっ!?」
エプロンのうえからふくらみをわしづかみにされた。
豊満なふたつのふくらみをオーガスタスがぐにゃぐにゃと揉みまわす。コルセットのない胸はとても無防備だった。
「はは、なにいまの声。正義の味方にひねりつぶされた魔女のうめき声みたい」
妙に具体的な比喩だがあながち間違っていないような気がして、よけいに憤りが湧く。
「う、うるさいわね! 放してっ」
「いやだ。やわらかくて、温かくて、さわり心地がいい……」
陶酔したような声音だった。耳のなかに直接、吹き込まれてはたまらない。手足の先がぞくぞくと艶っぽく反応してしまう。
「ちょっ、やだ……っ!」
「僕のことは気にしなくていいから、洗い物を続けて」
黒い髪の毛はうしろでひとまとめにしていた。あらわになっているうなじにオーガスタスがちゅうっと口付ける。肌をきつく吸い立てている。
「やっ……!」
胸をもてあそぶ彼の手を払いのけたいが、リルの手はいま泡だらけだ。言葉だけでなんとかしなければならない。
「あ、あなたって……。誰にでもそんなにスキンシップが過剰なの?」
「スキンシップ……とはちょっと違うけど。まあ、ご想像にお任せします」
「ひっ!?」
ふくらみのいただきを探り当てられた。
オーガスタスの人差し指がつぼみをカリカリと引っかく。ドレスとエプロン越しだというのに、リルのそこは硬く尖っていた。
「乳首がカチカチになってるね? 揉まれて興奮しちゃったのかな」
「ち、ちがっ……。くすぐったい、だけ……。だからやめて、本当に……!」
食器を洗う手は止まったままだ。これではいっこうに終わらない。
「くすぐったい? でもそれって、感じてるってことじゃないかな。僕にこうされるの、気持ちよくない?」
「んっ……!!」
節のある指がふくらみの頂点を的確にこする。服のうえから親指でごりごりと乳首をいたぶられている。
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「リルは働き者だね」
ほぼ裸の王子様オーガスタスがうしろからリルをのぞき込んできた。
吐息がかかりそうな位置に彼がいるのが落ち着かないが、食器を洗う手は休めたくない。今日はこのあと薬草を摘みにいく予定だから、早く片付けてしまわなければ。
「働き者っていうか……。ほかにやってくれるひとがいないんだから、仕方ないじゃない」
「じゃあリルは嫌々やってるの?」
「うーん……。この森に住み始めたときは不慣れでうまくいかなくて、嫌になることもあったけど、いまはそうでもないわ。それなりに楽しい」
「じゃあやっぱり働き者だ。ところでリル、僕がさっき言ったこと実行してよ」
「………」
リルは振り返らずに無言を貫く。朝食のときに彼がつむいだ虚言は覚えているが、しらをきる。
「ねえ、リル。聞いてる? 僕が言ったこと、覚えてない?」
「さあ、なんのことかしら」
「裸にエプロン、だよ」
「っ、するわけないでしょう!?」
「ちぇ……」
「――っ!?」
ずしりと肩が重くなった。オーガスタスは背後からリルの体に腕をまわし、頭を肩にあずけている。
「邪魔なんだけど」
リルが言うと、彼はすぐに離れた。
(やけに素直ね……?)
怪訝な顔でななめうしろのようすをうかがう。
「じゃあ邪魔にならないように、ここだけ揉ませて」
「ぎゃっ!?」
エプロンのうえからふくらみをわしづかみにされた。
豊満なふたつのふくらみをオーガスタスがぐにゃぐにゃと揉みまわす。コルセットのない胸はとても無防備だった。
「はは、なにいまの声。正義の味方にひねりつぶされた魔女のうめき声みたい」
妙に具体的な比喩だがあながち間違っていないような気がして、よけいに憤りが湧く。
「う、うるさいわね! 放してっ」
「いやだ。やわらかくて、温かくて、さわり心地がいい……」
陶酔したような声音だった。耳のなかに直接、吹き込まれてはたまらない。手足の先がぞくぞくと艶っぽく反応してしまう。
「ちょっ、やだ……っ!」
「僕のことは気にしなくていいから、洗い物を続けて」
黒い髪の毛はうしろでひとまとめにしていた。あらわになっているうなじにオーガスタスがちゅうっと口付ける。肌をきつく吸い立てている。
「やっ……!」
胸をもてあそぶ彼の手を払いのけたいが、リルの手はいま泡だらけだ。言葉だけでなんとかしなければならない。
「あ、あなたって……。誰にでもそんなにスキンシップが過剰なの?」
「スキンシップ……とはちょっと違うけど。まあ、ご想像にお任せします」
「ひっ!?」
ふくらみのいただきを探り当てられた。
オーガスタスの人差し指がつぼみをカリカリと引っかく。ドレスとエプロン越しだというのに、リルのそこは硬く尖っていた。
「乳首がカチカチになってるね? 揉まれて興奮しちゃったのかな」
「ち、ちがっ……。くすぐったい、だけ……。だからやめて、本当に……!」
食器を洗う手は止まったままだ。これではいっこうに終わらない。
「くすぐったい? でもそれって、感じてるってことじゃないかな。僕にこうされるの、気持ちよくない?」
「んっ……!!」
節のある指がふくらみの頂点を的確にこする。服のうえから親指でごりごりと乳首をいたぶられている。