森の魔女と囚われ王子 《 第二章 20

 額は汗だくで髪の毛が張り付き、呼吸が荒いせいで口は閉じることができず半びらきだ。
 達したばかりの、煽情的に乱れたリルをオーガスタスはしげしげと見おろす。

「ねえ、リル。体液といえばやっぱりコレだ――って、僕は思うんだよね」

 胸を上下させながら呆然とするリルを上目遣いで見つめ、オーガスタスは黒いトラウザーズを下履きごとずらした。

「ひゃ……っ!!」

 急に両手を力強く引っ張り上げられてあせる。片足を折り曲げて横向きにソファに座るオーガスタスの正面に倒れ込んだ。
 少しだけ下がったトラウザーズからのぞいているのは、男性の象徴。初めて見るそれにリルは釘付けになる。

「……もしかして、リルはこれが好きなの?」
「はっ、はぁぁぁ!?」

 ぎゅんっ、と擬音が聞こえそうな勢いで頭のてっぺんまで熱が立ちのぼる。

「そそそ、そんなわけ、ないでしょ」

 そっぽを向いて視線をさまよわせるリルをオーガスタスはどこか嬉しそうに眺めた。

「あんまりまじまじと見つめられると、少し照れる。ね、早く舐めて……。目は閉じてて」
「なっ、な、舐めるって……これを?」
「そうだよ。……嫌かな」

 オーガスタスは悲しそうに眉尻を下げている。

「嫌じゃ……、ない」

 彼の悲しげな顔を見ていたせいか、ついポロッと言ってしまった。

「あ、ええと、その」

 正直なところ、男性のそれに興味があったのかもしれない。
 とにかく、自分がなにかされるよりはだいぶんマシだと思った。きたならしいとか、そういう感情はあまりない。

「……じゃあ、お願い。リル」

 甘えた猫なで声にいざなわれて彼の下半身に顔を寄せ、まぶたを閉じる。手探りで一物を見つけ出す。少しだけ指で触れた。硬い。

「ん……。リル、そこ……根もとのほう、舐めて」

(根もと……。どこにあるの)

 張りつめたそれの根の部分を指でもぞもぞとさぐる。目を閉じているせいで、いま自分が肉棒のどこに触れているのかよくわからない。
 そもそも、勃起した男性器がどんな形なのかを把握していない。

「こ、ここ……?」
「うん、そう……。舌でべろべろって、できる? 蛇になったつもりで動かしてみて」

 また蛇か、と思いながらも言われたとおりに舌を出し、左右に動かした。

「ぁ……っ。いいよ、リル。じょうずだ」

 褒められると増長する。リルはいっそう大胆にレロレロと肉竿の根もとに舌を這わせた。

「……もしかして、こういうのすごく慣れてる?」
「ふ……っ!?」

 紅い瞳が大きく見ひらかれた。
 オーガスタスはリルの白い乳房を下から持ち上げ、先端を親指でくにくにと揺らした。

「やっ、あ……っ!」
「こら、目は閉じていなくちゃ。さあ、続けて……。リルの舌、熱くてすごく気持ちいい」
「うぅ、ん……っ」

 リルは抗わずに口淫をほどこし続ける。なぜ素直にしたがっているのか自分でもわからない。

「ん……。そろそろ咥えて」
「ん、む」

 肉竿を口に含むと、乳首をいたぶる指の動きが激しくなった。

「上下にこすって……。手も、同じように」

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