森の魔女と囚われ王子 《 第三章 07

「じゃあ、ここから舐めるとしよう」
「……っや、いやよ。そんなところ、舐めないで」

 本当に全身を舐めまわす気なのか、と少しひるんでしまう。

「どこならいいの?」
「どこも、だめ」
「わがままだなぁ、リルは」

 横たわるリルの体にオーガスタスがのしかかる。やはりわき腹を舐めるつもりなのだ。真っ赤な舌をのぞかせて身をかがめている。

「ひぁっ、あ……!」

 腰のあたりからふくらみのきわまで、いっきにべろりと舌が這った。両腕は彼の片手で押さえつけられているから、されるがままに舐められるしかない。

「やっ、あ……! くすぐった、い……ッ」

 くすくすと笑い声を漏らすばかりでオーガスタスは舌をどけない。れろれろと舌を左右に動かしてふくらみの側面をくすぐっている。
 は、はぁっ、と息遣いが荒くなってくる。下半身にいっそう熱が集まり、蜜をたたえていく。リルの腰が、誘うようにくねくねと揺れる。

「腰が踊っているよ、リル。よし、今度はここにしよう」

 オーガスタスはリルの腕を押さえたまま舌を下降させ、腰骨のあたりで止まった。浮き出た骨の部分をたどり、茂みのほうへ行ったかと思うと引き返してきて、ふたたびわき腹に戻った。

「ぅ、う……っ、ふ」

 官能と紙一重のくすぐったさを覚えて身をよじる。
 足を動かすと、つめたい素肌に当たった。彼の胸板は厚く、少々力を入れたくらいではびくともしない。
 もとより、くすぐったいところを舐められているから足には力が入らない。足蹴にして払いのけるという選択肢は存在しない。

「リル……」

 ぽつりと名を呼び、すぐにまた舌と手を肌に添わせてオーガスタスはリルのふくらみを目指す。
 リルと向かい合って横たわり、ほほえむオーガスタス。なんだかとても楽しそうだ。

「そろそろココに、欲しくなってきたでしょ? 僕の舌が」
「うぅ……っ」

 横向きに寝転がった状態で両手首をひとまとめにされ、頭のうえあたりでベッドに押さえ付けられている。ふくらみを隠すものがなにもない。
 自身の腕の隙間から見えていた彼の片手が胸もとへ動く。リルの腕を押さえていないほうの手だ。その手がふくらみの尖った先端をつん、つんっと上下になぶる。

「ぁ、あっ……!」
「ん、硬いね……。舐めごたえがありそう。ああ、噛んでみるのもいい」
「っ、か……む!? んんっ、ぁ」

 指先でひっきりなしに薄桃色のつぼみをなぶりながらオーガスタスは嗤う。

「やだな、そんなにおびえないでよ。血は出ない程度にするから」

 リルの顔面からサアッと血の気が引いていく。

(噛まれるだなんて……!)

 血は出ない程度といっても、痛いに違いない。

「や、だ、やだっ……!」

 彼から離れようと、足先でベッドを蹴った。しかしすぐに腰に腕をまわされ、横向きのまま体を固定されてしまった。

「逃がさないよ、リル」

 オーガスタスは瞳をあやしくきらめかせて、リルの胸もとに顔を寄せた。

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