少年との出会いから数日後のこと。
健康補助以外の薬も日常的に作ることにしたリルは、オーガスタスとともに足りない薬草をつみに出かけていた。
その、帰り道。
「ねえ……。そんなもの拾って、どうするつもり?」
「んー? 使いかたはいろいろあるよね。イロイロ」
となりを歩いていたオーガスタスが突然、足を止めたと思ったら、太い木の幹に巻きついている蔦《つた》をおもむろに採取し始めたのだ。
リルはそれを手伝いもせず、ただじいっと眺める。
「大丈夫、手伝ってくれなくてもいいよ。すぐに終わるから」
「ええ、もとからその気はないわ」
薬草がいっぱいに入ったかごを両手に持ったまま、彼を静観する。意味ありげにニヤニヤと顔をほころばせてこちらを見ているオーガスタスに、ただならぬいやな気配を感じてリルは身の内を震わせた。
「――リル、汗をかいたでしょ。服を脱いで」
「ちょ……っ!?」
屋敷に着くなりオーガスタスはすぐさまリルをベッドへ誘導した。無理やり服を脱がせようとしている。かたわらには、先ほど拾った長い蔦。鮮やかな緑色の葉がついたままだ。
「ほら、脱いで脱いで。そのままにしていたら風邪を引くよ」
「じゃ、じゃあ……オーガスタスはどこかへ行っていて」
「まあまあ。僕が脱がせてあげるから、リルは大人しくしていて?」
リルの口まねをしながらオーガスタスは嬉々として彼女の服をどんどん拭い去っていく。
「やっ、いやだったら……! そ、その蔦でなにかするつもりなんでしょう!?」
「んん? リルにしては察しがいいね。そのとおりだよ」
ぺろり、と蛇のように一瞬だけ舌をのぞかせてオーガスタスがまぶたを細める。獲物を品定めでもしているような目つきだ。
「さて、この長い蔦の使いかたを当ててごらん」
シュミーズとドロワーズだけになってしまって、なんとも心もとない。リルは必死に胸もとを押さえてぱくぱくと口を動かす。
「あれ? わからない?」
「や、やぁっ……!」
強引にバンザイをさせられた。シュミーズが頭から抜けていく。残りの一枚であるドロワーズをすぐさま押さえるが、そちらも強く引っ張られてしまい、とうとう一糸まとわぬ姿になってしまった。
なすすべがなくなってしまったリルはベッドにうつぶせになって体を隠した。ちらりと横目で彼のようすをうかがう。
オーガスタスはあいかわらずニヤニヤとほほえんで、緑色の蔦をピンッと張り詰めさせている。
「いや……。やめて」
「なにをされるかわからないのに、やめてって言うのはへんじゃない?」
「わからないから、嫌なのよ!」
オーガスタスは不敵に笑い、ベッドにうつぶせになっているリルのとなりに顔を寄せた。
「わからないから興奮する、の間違いでは?」
「んっ……!」
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健康補助以外の薬も日常的に作ることにしたリルは、オーガスタスとともに足りない薬草をつみに出かけていた。
その、帰り道。
「ねえ……。そんなもの拾って、どうするつもり?」
「んー? 使いかたはいろいろあるよね。イロイロ」
となりを歩いていたオーガスタスが突然、足を止めたと思ったら、太い木の幹に巻きついている蔦《つた》をおもむろに採取し始めたのだ。
リルはそれを手伝いもせず、ただじいっと眺める。
「大丈夫、手伝ってくれなくてもいいよ。すぐに終わるから」
「ええ、もとからその気はないわ」
薬草がいっぱいに入ったかごを両手に持ったまま、彼を静観する。意味ありげにニヤニヤと顔をほころばせてこちらを見ているオーガスタスに、ただならぬいやな気配を感じてリルは身の内を震わせた。
「――リル、汗をかいたでしょ。服を脱いで」
「ちょ……っ!?」
屋敷に着くなりオーガスタスはすぐさまリルをベッドへ誘導した。無理やり服を脱がせようとしている。かたわらには、先ほど拾った長い蔦。鮮やかな緑色の葉がついたままだ。
「ほら、脱いで脱いで。そのままにしていたら風邪を引くよ」
「じゃ、じゃあ……オーガスタスはどこかへ行っていて」
「まあまあ。僕が脱がせてあげるから、リルは大人しくしていて?」
リルの口まねをしながらオーガスタスは嬉々として彼女の服をどんどん拭い去っていく。
「やっ、いやだったら……! そ、その蔦でなにかするつもりなんでしょう!?」
「んん? リルにしては察しがいいね。そのとおりだよ」
ぺろり、と蛇のように一瞬だけ舌をのぞかせてオーガスタスがまぶたを細める。獲物を品定めでもしているような目つきだ。
「さて、この長い蔦の使いかたを当ててごらん」
シュミーズとドロワーズだけになってしまって、なんとも心もとない。リルは必死に胸もとを押さえてぱくぱくと口を動かす。
「あれ? わからない?」
「や、やぁっ……!」
強引にバンザイをさせられた。シュミーズが頭から抜けていく。残りの一枚であるドロワーズをすぐさま押さえるが、そちらも強く引っ張られてしまい、とうとう一糸まとわぬ姿になってしまった。
なすすべがなくなってしまったリルはベッドにうつぶせになって体を隠した。ちらりと横目で彼のようすをうかがう。
オーガスタスはあいかわらずニヤニヤとほほえんで、緑色の蔦をピンッと張り詰めさせている。
「いや……。やめて」
「なにをされるかわからないのに、やめてって言うのはへんじゃない?」
「わからないから、嫌なのよ!」
オーガスタスは不敵に笑い、ベッドにうつぶせになっているリルのとなりに顔を寄せた。
「わからないから興奮する、の間違いでは?」
「んっ……!」