クールでウブな上司の襲い方 《 第三章 10

 ベッドの上で正座をして慎太郎にコンドームを渡した優樹菜は上目遣いでジイッと彼を見つめた。
 慎太郎の唇がどんどんへの字に曲がっていく。

「――きみはうしろを向いていろ」
「え、えっ……!?」

 クルリと180度回転させられ、またしても壁のほうを向かされる。

「や、いや、です! しゅに――じゃなくて、慎太郎さんのこと、見ていたい」
「俺は見られたくない。あんまりワガママを言うとまた目隠しするぞ」
「わ、ワガママなんかじゃな――、ぶふっ……!」

 トンッ、とうしろから背を押され、無様な声を上げながらベッドにうつぶせになった。

「ちょっ、と、待っ……ん、ぁ!」

 両方の乳房をぎゅむっ、とわしづかみにされた。慎太郎は優樹菜の背にのしかかるようにして彼女のふくらみを揉みしだき、その先端をしごく。優樹菜が起き上がって振り返ることのないように体重をかけているようにも見える。

「あ、ぁうっ……。慎太郎、さ……っ、あ、アアッ!!」

 挿入はいきなり深かった。
 じゅぷぷっ、とひどい水音を立てながら突き刺さった一物は初めから最奥をグリグリとえぐり、優樹菜の内壁に圧力をかける。

「ああっ、ん、ふぁっ……! は、げし……っひぁ、アッ」

 ずんっ、ずんっと容赦なく腰を打ちつけられ、これではうしろを振り返る余裕がない。

「慎太郎、さ……んっ、んくっ、ぅう」

 名前を呼ぶと、応えるように背中にちゅうっと口づけられた。そのままレロリと背を舐めあげられ、体のナカを往復する陰茎とはまた異なる快感に襲われて総毛立つ。

「……っ、きみのナカは、とんでもないな」
「……それって、どういう……っん、はふ、ぅ……ッ!」

 慎太郎は腰の動きをゆるめることなく優樹菜な肩に顔を寄せる。

「やわらかくて温かくて、絡みついてくる。どれだけつついても、足りない。もっと乱したくなる――」
「……!」

 耳もとで、熱に浮かされたような艶っぽい声音で告げられた。優樹菜は全身の血が沸騰する思いだった。

(顔を見られるのは恥ずかしがるくせに、どうしてそういうことをサラリと言えるの?)

 彼の言動がまったくもって不思議でならないのだが、不意にそんな甘い言葉をささやかれてはたまらない。

「ん……? ナカがよけいに締まった」
「やっ、言わな……で……っ。ん、んぁぁっ!」

 いっそう狭くなってしまった隘路《あいろ》を押し広げるように慎太郎は肉竿を振り乱した。
 ぐぷぷっ、ぐちゅうっと湿りきった音が響いてこだまする。
 ふと目についたのはぬいぐるみ。子ども向けの純真なキャラクターたちを前にこんなことをしているのに今さらながら背徳感を覚えた。

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