「顔……真っ赤ですよ。この暗闇でもわかるくらい」
「……っ、言うな」
慎太郎は口もとを押さえてぷいっと顔をそむけた。
(やだ、ちょっと……。かわいい)
優樹菜はニタリとほほえんで、ここぞとばかりに言う。
「もしかして、恥ずかしいんですか?」
先刻、彼に言われた言葉をそっくりそのまま投げかけた。
慎太郎が反論しないのをいいことに優樹菜はさらに畳み掛ける。
「大丈夫ですか? ゆでダコみたいになってますよ。すごく……かわいいです。照れてるんですか? ねえ、慎太郎さん」
ベッド端にあぐらをかく慎太郎に優樹菜は裸でせまった。
「……~~っ!」
慎太郎はバツが悪そうに顔をゆがめ、優樹菜の腕を引っ張る。
「ひゃっ!?」
強引にうしろを――壁のほうを向かされたかと思うと、背後から羽交い締めにされた。
しまった、調子に乗りすぎた――と後悔するも、あとの祭りだ。
「あっ、の……。んっ、ぁぁあっ!」
ズププッ、とひどい水音がした。骨ばった指が下半身の狭道に突き刺さったのだ。彼の中指はすぐに最奥を突き、素早く往復をはじめる。仕置きだとでも言わんばかりの猛攻だ。
「あっ、んぁっ、ア……ッ!!」
慎太郎は優樹菜がうしろを振り向けないように彼女の頬にピタリと顔をくっつけている。よほど自分の顔を見られたくないのだろう。
触れ合っている頬はとんでもなく熱い。しかしそれ以上に、激しく抜き差しをされている蜜の壷はヒトの体温ではありえないくらい熱を持っている気がする。
まぜくりまわされ、ひっかきまわされ――もうむちゃくちゃだ。それなのに、気持ちがよい。
「はぁっ、あ、んぅっ、あぁ……っ!」
ふくらみの先端をぎゅうっときつく指でつまみあげられた。クニクニ、コリコリとせわしなく揺り動かされ、四方に激しくなぶられる。
――絶頂せずにはいられなかった。
「うぅ、っん……」
びくっ、びくんと身の内を震わせて果てる。慎太郎は優樹菜のナカからゆっくりと指を引き抜いた。ぐちゅぐちゅっ、と淫猥な水音が響く。指につられて愛液がさらにこぼれ落ちてくる。
ふと、ため息のようなものを頬に感じた。
「……切らしていたような気がする」
耳もとで紡がれた言葉には主語がなかった。しかし彼が言いたいことはよくわかる。
「あ……、えっと……。持ってきました」
脱ぎ捨てていたパジャマの上着のポケットからコンドームを取り出し、おずおずと差し出す。
「準備がいいな」
「……なんたって、襲いに来たわけですから」
こうしてみずから避妊具を差し出しているのはとてつもなく恥ずかしいけれど、それがないせいでここで終わってしまうのはいやだ。
(われながら本当、はしたない)
しかしそれでも欲しいものは欲しい。彼の、それが。この体につなぎとめて、刻み込んでほしいとせつに願う。
それもこれも、もっと彼を知りたいからだ。
名前を呼んだだけであんなにも頬を赤らめてしまう、ウブな上司のすべてを知りたい。
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「……っ、言うな」
慎太郎は口もとを押さえてぷいっと顔をそむけた。
(やだ、ちょっと……。かわいい)
優樹菜はニタリとほほえんで、ここぞとばかりに言う。
「もしかして、恥ずかしいんですか?」
先刻、彼に言われた言葉をそっくりそのまま投げかけた。
慎太郎が反論しないのをいいことに優樹菜はさらに畳み掛ける。
「大丈夫ですか? ゆでダコみたいになってますよ。すごく……かわいいです。照れてるんですか? ねえ、慎太郎さん」
ベッド端にあぐらをかく慎太郎に優樹菜は裸でせまった。
「……~~っ!」
慎太郎はバツが悪そうに顔をゆがめ、優樹菜の腕を引っ張る。
「ひゃっ!?」
強引にうしろを――壁のほうを向かされたかと思うと、背後から羽交い締めにされた。
しまった、調子に乗りすぎた――と後悔するも、あとの祭りだ。
「あっ、の……。んっ、ぁぁあっ!」
ズププッ、とひどい水音がした。骨ばった指が下半身の狭道に突き刺さったのだ。彼の中指はすぐに最奥を突き、素早く往復をはじめる。仕置きだとでも言わんばかりの猛攻だ。
「あっ、んぁっ、ア……ッ!!」
慎太郎は優樹菜がうしろを振り向けないように彼女の頬にピタリと顔をくっつけている。よほど自分の顔を見られたくないのだろう。
触れ合っている頬はとんでもなく熱い。しかしそれ以上に、激しく抜き差しをされている蜜の壷はヒトの体温ではありえないくらい熱を持っている気がする。
まぜくりまわされ、ひっかきまわされ――もうむちゃくちゃだ。それなのに、気持ちがよい。
「はぁっ、あ、んぅっ、あぁ……っ!」
ふくらみの先端をぎゅうっときつく指でつまみあげられた。クニクニ、コリコリとせわしなく揺り動かされ、四方に激しくなぶられる。
――絶頂せずにはいられなかった。
「うぅ、っん……」
びくっ、びくんと身の内を震わせて果てる。慎太郎は優樹菜のナカからゆっくりと指を引き抜いた。ぐちゅぐちゅっ、と淫猥な水音が響く。指につられて愛液がさらにこぼれ落ちてくる。
ふと、ため息のようなものを頬に感じた。
「……切らしていたような気がする」
耳もとで紡がれた言葉には主語がなかった。しかし彼が言いたいことはよくわかる。
「あ……、えっと……。持ってきました」
脱ぎ捨てていたパジャマの上着のポケットからコンドームを取り出し、おずおずと差し出す。
「準備がいいな」
「……なんたって、襲いに来たわけですから」
こうしてみずから避妊具を差し出しているのはとてつもなく恥ずかしいけれど、それがないせいでここで終わってしまうのはいやだ。
(われながら本当、はしたない)
しかしそれでも欲しいものは欲しい。彼の、それが。この体につなぎとめて、刻み込んでほしいとせつに願う。
それもこれも、もっと彼を知りたいからだ。
名前を呼んだだけであんなにも頬を赤らめてしまう、ウブな上司のすべてを知りたい。