俺さま幼なじみとの溺愛同居 《 22


「痛みは……そろそろ引いた、か?」

 うかがわしげに尋ねられる。未来は「んん」とあいまいに返事をした。
 正直なところ、痛いのかそうでないのかよくわからない。突き抜けるような痛みは一瞬だったものの、ひりひりとした痛みはまだ残っているような気がする。ただ、圧倒的な異物感があるのは確かだった。
 弘幸はおもむろに両手を動かして未来の乳房をふにゃりとつかむ。それからその先端を指でいたずらに弾いた。

「あ……ん、んぁっ」

 痛みとは明らかに異なる――快感のうねりが瞬く間に巻き起こる。弘幸は楽器の弦にするように両手の指をすばやく走らせて未来の乳頭を弾いた。
 下半身が彼とつながったままの未来は脚をバタバタと動かしたいのをがまんして身じろぎする。

「ん……いま、おまえのなかが締まった」
「えっ……!? や、やだ……そんなこと、言わないで」
「なんで? 本当のことを言っただけだ」
「だ……って、恥ずかし……ん、んぅっ」

 いまだに潤んだ瞳で未来は頬を真っ赤に染めて視線をそらす。弘幸はごくっと喉を鳴らした。

「かわいい……未来」

 彼が律動を始める。出だしはゆっくりと、しかし着実に速くなっていく。いちばん奥と思われるところにズンッ、ズンッと彼のものが当たる。そのたびに未来は「ひぁ、あっ!」とひときわ高い嬌声を出した。

「ヒロく……ん、んんっ!」
「だめだ、そんな顔されたら――止まらなくなる」

 絞り出すようにそう言って、弘幸は腰を振りたくる。目の前が――目の前にいる愛しいひとがガクガクと揺れている。頭も体もかき乱される。

「ふぁっ、あぁ……んっ、んぁあっ……!」

 未来の、吐息まじりの喘ぎ声が引き金になったのか、弘幸は眉根を寄せて自分自身を果てさせた。ドクッ、ドクッと自分のなかで脈打つ彼が、どうしてかとてつもなく愛しく感じる。
 未来は「はぁ、はぁ」と息を荒らげてただ見つめる。弘幸の一部が体から引き抜かれる。そのことを寂しいと思ってしまったのは、彼には絶対に言えない。

「……未来」

 弘幸は未来のとなりにドサリと横たわり、彼女の髪を何度も撫でた。そのあいだ、「平気?」だとか「もう痛くないか?」だとか、しつこいくらいに訊いてきた。

「だ、大丈夫だってば……」

 未来が言うと、弘幸は不安げな顔から一変して、

「じゃあもう一回いい?」

 そんなことを言い始めたので、未来はあわてて「それは無理!」と断言する。
 とたんにしゅんとしてしまった彼の頭を、今度は未来が撫でると、弘幸は「調子に乗るな」とどこか照れたようすで言って、未来の唇を塞いだ。

FIN.

お読みいただきありがとうございました!

熊野まゆ

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