「えっと、でも……」
「……ゆっくり、進めたい。美奈ちゃんのこと、大切にしたいから――……って、さんざんきみの体をいじっておいて言えるせりふじゃないけど。でも、せめて美奈ちゃんのお母さんには、結婚を前提にお付き合いしてますって報告してからじゃなくちゃね」
美奈はあいまいにうなずいた。正直なところ、最後まで至らなくてホッとしている部分はたしかにある。
(ん……? あれ? 優人くん、さっき――)
彼を見つめて思い起こす。
『結婚を前提に――』
頭のなかで、つい先ほどの彼の言葉がひとりでに再生され、とたんに頬がカァッと熱くなった。
「あ、のっ……。ゆ、うと、くん。さっき……」
「うん? 俺、なにかおかしなことを言ったかな」
どこか飄々とした態度で優人はベッド端に腰かける。
「う……、ううん。なにも、おかしくない。……ありがとう、優人くん」
美奈がほほえむと、優人は身をかがめて彼女の頬にちゅっと口付けた。
「……でも、もうちょっとだけイタズラさせて?」
「え……っ!?」
驚く美奈の、ポカンと開いた口を、優人は悪戯っぽい笑みを浮かべて塞いだ。
***
今日もあいかわらず、電車のなかは混んでいた。
しかし苦しくはなかった。付き合って一ヶ月になる彼が、人ごみから守ってくれているからだけれど――。
「ゆ、優人くん……っ!」
美奈は押し殺した声で彼の名を呼んだ。
苦しくは、ない。ないのだが、べつの感覚が明確にある。
「んー……?」
とぼけた声で返事をして、優人は微笑する。
彼の片手は美奈の胸もとに添えられていた。セーラー服の上から、もっとも敏感ないただきを探り当て、カリカリと引っかいて刺激している。
「も……っ、イタズラするの、やめてよ……っ!」
「うん、ごめん。でも……なんていうか、出来心?」
手の動きが、ピタリと止まる。
「もう……。……――っ!?」
優人の手が胸から離れて安心したのもつかの間、今度はスカートのなかに侵入してきた。美奈は目をむく。
「なっ、な……!」
「しぃっ。静かに、ね?」
さわやかな笑みを浮かべたまま優人は美奈の秘裂をショーツごしにグリグリと押している。
「ゃっ……!」
もうほとんど、毎日のようにこんな調子だ。いつかだれかに見つかってしまうのではないかとヒヤヒヤするし、それになにより――。
「指だけじゃ、物足りなくなりそう?」
考えを見透かされている。完全に図星だ。赤面せずにはいられない。
「――っ、そう、だよ。だから、やめて……」
素直に告白すると、優人は満面の笑みになった。
それから――指を引っ込めるどころか、あろうことかさらに秘められたところまで指を押し進めてきた。
「んっ、やぁ……っ!」
まったくもって、この不埒な出来心は手に負えない――と、美奈は思った。
FIN.
お読みいただきありがとうございました!m(_ _)m
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「……ゆっくり、進めたい。美奈ちゃんのこと、大切にしたいから――……って、さんざんきみの体をいじっておいて言えるせりふじゃないけど。でも、せめて美奈ちゃんのお母さんには、結婚を前提にお付き合いしてますって報告してからじゃなくちゃね」
美奈はあいまいにうなずいた。正直なところ、最後まで至らなくてホッとしている部分はたしかにある。
(ん……? あれ? 優人くん、さっき――)
彼を見つめて思い起こす。
『結婚を前提に――』
頭のなかで、つい先ほどの彼の言葉がひとりでに再生され、とたんに頬がカァッと熱くなった。
「あ、のっ……。ゆ、うと、くん。さっき……」
「うん? 俺、なにかおかしなことを言ったかな」
どこか飄々とした態度で優人はベッド端に腰かける。
「う……、ううん。なにも、おかしくない。……ありがとう、優人くん」
美奈がほほえむと、優人は身をかがめて彼女の頬にちゅっと口付けた。
「……でも、もうちょっとだけイタズラさせて?」
「え……っ!?」
驚く美奈の、ポカンと開いた口を、優人は悪戯っぽい笑みを浮かべて塞いだ。
***
今日もあいかわらず、電車のなかは混んでいた。
しかし苦しくはなかった。付き合って一ヶ月になる彼が、人ごみから守ってくれているからだけれど――。
「ゆ、優人くん……っ!」
美奈は押し殺した声で彼の名を呼んだ。
苦しくは、ない。ないのだが、べつの感覚が明確にある。
「んー……?」
とぼけた声で返事をして、優人は微笑する。
彼の片手は美奈の胸もとに添えられていた。セーラー服の上から、もっとも敏感ないただきを探り当て、カリカリと引っかいて刺激している。
「も……っ、イタズラするの、やめてよ……っ!」
「うん、ごめん。でも……なんていうか、出来心?」
手の動きが、ピタリと止まる。
「もう……。……――っ!?」
優人の手が胸から離れて安心したのもつかの間、今度はスカートのなかに侵入してきた。美奈は目をむく。
「なっ、な……!」
「しぃっ。静かに、ね?」
さわやかな笑みを浮かべたまま優人は美奈の秘裂をショーツごしにグリグリと押している。
「ゃっ……!」
もうほとんど、毎日のようにこんな調子だ。いつかだれかに見つかってしまうのではないかとヒヤヒヤするし、それになにより――。
「指だけじゃ、物足りなくなりそう?」
考えを見透かされている。完全に図星だ。赤面せずにはいられない。
「――っ、そう、だよ。だから、やめて……」
素直に告白すると、優人は満面の笑みになった。
それから――指を引っ込めるどころか、あろうことかさらに秘められたところまで指を押し進めてきた。
「んっ、やぁ……っ!」
まったくもって、この不埒な出来心は手に負えない――と、美奈は思った。
FIN.
お読みいただきありがとうございました!m(_ _)m
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