満員電車のデキゴコロ 《 05

「あっ、ぁうっ、んッ……!」

 それまでとは打って変わって、乳首を激しく指でなぶられる。

「ほら、エプロンの端っこ、ちゃんと持っていないとダメだよ」
「う、ん……ッ。ぁ、ふぁぁっ……!」

 中央に寄せていたエプロン生地をぎゅうっとつかむと、いっそう強く乳頭をつままれた。
 無意識に腰が揺れ、呼吸はさらに荒くなる。

「コッチもさわっていいかな」

 優人は美奈の太ももを撫であげ、ショーツの端に手をかけた。

「う、うん……」

 答えるのとほぼ同時に、ズルリといっきにショーツを下へおろされ、

「ぁっ……!」

 突然、スカートのなかが無防備になってしまいあせる。まごつく美奈をよそに、優人は待ちきれないと言わんばかりの手つきで性急に彼女の秘裂を指でまさぐった。

「よく濡れてるね……。聞こえる? くちゅくちゅって、いやらしい音がする」

 そんなふうに言われると、水音がよけいに際立って頭のなかに響いてくる。

「ぅっ、んぅぅ……ッ!」

 彼の指が膣口の浅いところをリズミカルにさぐる。しだいに奥へと進んでいって、水音がいっそうひどく――ぐちゅぐちゅっ、という音に変わる。

「はっ、ぁ、ぁあッ」

 ついにはもっとも深いところまで指がおさまってしまった。ずんっ、ずんっと小刻みにしつこく突かれている。

「ぁぁ、あ、ふぅっ!!」

 初めは怖いと思ってしまった。いったいどこまで指が入るのかわからなくて、そして入ってしまったらどうなるのか、知らないので怖い。
 しかしいざそうなってみると、どうだろう。自分がみだらなのか、彼の指戯がたくみだからなのかはわからないが、初めてのこととは思えないくらい気持ちがよくて、どんどん快楽のとりこになっていく。

「あ、ひぁぁっ――……!」

 達してしまうまではあっという間だった。そんなふうに感じた。下半身は激しく収縮して彼の指を締めつける。

「……ベッドに、行こっか」
「ふっ……!?」

 ああ、なぜこんなにも恥ずかしいのだろう。お姫様だっこで、自室へ運ばれている。
 こういうシチュエーションが現実に起こりえるものだなんて信じられないし、これからいよいよ――と思うと、羞恥心が込み上げてきて、同時に緊張した。
 そっと、ベッドにおろされる。
 美奈は乱れた制服のまま不安げに彼を見上げた。

「……今日は、やめておこうか」
「……っ、え」
「美奈ちゃん、顔が青ざめてる」

 頬に手を添えられた。とても熱く感じるということはすなわち、自分の頬が冷えきっているということだ。

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