リルの体調はすぐに回復した。オーガスタスのある意味で献身的な介抱のおかげかもしれない。
(オーガスタスったら、ちょこちょこいたずらを仕掛けてくるんだから)
バスタブに浮かぶ泡をふうっと吹いて流す。
すっかり元気になったリルは真っ白な泡が敷き詰められたバスタブに肩まで浸かっていた。ほのかにバラの香りがしていて心身ともに癒される。
(……この気持ちは何なんだろう)
体調が思わしくないリルを気遣って、オーガスタスはいたずら程度にとどまっていたのかもしれないけれど、その先をしてもらいたくてたまらなかった。
(恥ずかしい……。早く元気になって、続きをしてもらいたいだなんて思ってることが)
リルは大きく息を吸い込み、思いきりふうっと吐き出した。泡はふわふわと揺れて流れていく。
「――リル」
「……ぶっ!?」
もう一度、泡を吹き流そうと口を尖らせていたところに突然名前を呼ばれ、妙な音が出てしまった。
「体を洗うの、手伝ってあげる」
振り返るとそこにはリルをじらしぬいていた張本人がいた。彼もまた裸だ。恥ずかし気もなくリルと同じバスタブに浸かり、距離を詰めてくる。
リルはうつむいた。彼の裸体を見ただけで全身が興奮しているのを悟られたくなかった。
真正面からぎゅうっと抱きしめられる。
「ずっと我慢してたんだよ……。やっと思いきりさわれる」
かすれ声がリルに追い打ちをかける。思いの丈を素直に告白せずにはいられなくなる。
「わ、わたし、も……」
小さな声で告げると、リルの素直な返答に驚いたのかオーガスタスはわずかに目を見ひらき、しかしすぐに細めてはにかんだように笑った。
その顔のまま唇を寄せられた。拒む理由などひとつもなく、積極的に受け入れる。
「ンン、ふ……ッ」
いつになく余裕のない口付けだ。そんなふうに感じた。じれているのはきっとリルだけではない。
背中にまわっていたオーガスタスの手が両方とも前へやってきて、泡まみれの乳房を揉みしだく。
「んぁっ、く、ふ……!」
ぴちゃぴちゃと舌をなぶられながらふくらみを揉み込まれると、じれていた体がいっそう疼きを増して甘く反応する。
オーガスタスはあまりじらすことはせず、すぐにいただきに触れた。ぬめりのある指が乳首をくにくにと揺らす。
リルの腰の連動して揺れた。くねくねとうねる下半身にもオーガスタスは手を伸ばす。
「ふぅっ、あぁ……っ」
糸を引いて唇が離れ、そのかわりに下半身の淫唇に彼の指が這う。
そこがぬめりを帯びているのは泡のせいだけではない。オーガスタスの裸を目にしたときから――いや、もしかしたらもっと前から、彼のことを想っているときすでに蜜があふれていたのかもしれない。
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(オーガスタスったら、ちょこちょこいたずらを仕掛けてくるんだから)
バスタブに浮かぶ泡をふうっと吹いて流す。
すっかり元気になったリルは真っ白な泡が敷き詰められたバスタブに肩まで浸かっていた。ほのかにバラの香りがしていて心身ともに癒される。
(……この気持ちは何なんだろう)
体調が思わしくないリルを気遣って、オーガスタスはいたずら程度にとどまっていたのかもしれないけれど、その先をしてもらいたくてたまらなかった。
(恥ずかしい……。早く元気になって、続きをしてもらいたいだなんて思ってることが)
リルは大きく息を吸い込み、思いきりふうっと吐き出した。泡はふわふわと揺れて流れていく。
「――リル」
「……ぶっ!?」
もう一度、泡を吹き流そうと口を尖らせていたところに突然名前を呼ばれ、妙な音が出てしまった。
「体を洗うの、手伝ってあげる」
振り返るとそこにはリルをじらしぬいていた張本人がいた。彼もまた裸だ。恥ずかし気もなくリルと同じバスタブに浸かり、距離を詰めてくる。
リルはうつむいた。彼の裸体を見ただけで全身が興奮しているのを悟られたくなかった。
真正面からぎゅうっと抱きしめられる。
「ずっと我慢してたんだよ……。やっと思いきりさわれる」
かすれ声がリルに追い打ちをかける。思いの丈を素直に告白せずにはいられなくなる。
「わ、わたし、も……」
小さな声で告げると、リルの素直な返答に驚いたのかオーガスタスはわずかに目を見ひらき、しかしすぐに細めてはにかんだように笑った。
その顔のまま唇を寄せられた。拒む理由などひとつもなく、積極的に受け入れる。
「ンン、ふ……ッ」
いつになく余裕のない口付けだ。そんなふうに感じた。じれているのはきっとリルだけではない。
背中にまわっていたオーガスタスの手が両方とも前へやってきて、泡まみれの乳房を揉みしだく。
「んぁっ、く、ふ……!」
ぴちゃぴちゃと舌をなぶられながらふくらみを揉み込まれると、じれていた体がいっそう疼きを増して甘く反応する。
オーガスタスはあまりじらすことはせず、すぐにいただきに触れた。ぬめりのある指が乳首をくにくにと揺らす。
リルの腰の連動して揺れた。くねくねとうねる下半身にもオーガスタスは手を伸ばす。
「ふぅっ、あぁ……っ」
糸を引いて唇が離れ、そのかわりに下半身の淫唇に彼の指が這う。
そこがぬめりを帯びているのは泡のせいだけではない。オーガスタスの裸を目にしたときから――いや、もしかしたらもっと前から、彼のことを想っているときすでに蜜があふれていたのかもしれない。