「ひゃっ……!」
不意にちゅっと首すじを吸われ、びくんと体を弾ませる。
オーガスタスはタオルを背から胸のほうへと滑らせ、ふくらみを下から押し上げた。
「――っ、オーガスタス! 真面目に、して」
「うん? 真面目にいじってもらいたいってことかな」
「ちっ、違うわ……!」
はいはい、とオーガスタスはなだめるような調子で言って、そのあとはきちんとリルの体を清めていった。
「それじゃあ、最後にココね」
「だ、だから……っ」
全身をくまなく拭いてもらったが、ふくらみの先端にだけは少しも触れられなかった。絶対にわざとだ。
「ココはとっても敏感だから、慎重に拭かなくちゃ」
オーガスタスは折りたたんでいたタオルを広げ、リルの胸に引かっけた。タオル生地はとても薄く、桃色が透けて見えている。
際立っているそこを、オーガスタスはタオル越しにきゅうっとつまむ。
「んん、ぅっ……!」
「あれ、どうしたのかな。僕はごく真面目にリルの乳首を拭いてるのに……。リルはずいぶんと色っぽい声を出すんだね?」
「ど、どこが真面目なのよ……! ゃっ、ぁあ」
引っ張り上げられたり押しひねられたりと、どう考えてもそこを拭くことが目的だとは思えない。
全身に、性的なところを避けて触れられていたせいでじれているところに、この仕打ちはあんまりだ。
もともと熱っぽい体がさらに熱さを帯び、頭のなかがくらくらとしてきて視界がかすむ。
リルのそんな変化に気がついたらしいオーガスタスは、
「はい、終わり。きれいになったよ」
と締めくくってタオルをぬぐいさった。
「ふ、ぇ……っ?」
いきなり終わってしまった愛撫に拍子抜けして目を丸くする。あっけにとられているリルにオーガスタスは下着とネグリジェを手早く着せた。
「さあ、ゆっくりおやすみ、リル。よい夢を」
「ええ……。あなたも、やすんだら?」
リルは口を尖らせてそう言った。その顔には不満がにじみ出ている。
「うーん、そうは言ってもまだまだ陽が高いしね。ここでリルの寝顔を眺めているよ。……というか、そうしたい」
「………」
リルは寝転がり、彼に背を向けた。
「え、どうしてそっちを向くの。そんなに寝顔を見られたくないの?」
「そうじゃ、ないけど……。なんとなく、よ。おやすみなさい、オーガスタス」
ふしだらな夢を見て、それが顔に出てしまっては困る――とは、言えなかった。
(なんだかすごく中途半端……。でも、眠い)
まぶたが重い。そうしようと思ってしたわけではないが、自然と目を閉じる。
おやすみ、とつぶやいて髪の毛を撫でるオーガスタスの手を心地よく思いながらリルはまどろみ、間もなくして深い眠りについた。
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不意にちゅっと首すじを吸われ、びくんと体を弾ませる。
オーガスタスはタオルを背から胸のほうへと滑らせ、ふくらみを下から押し上げた。
「――っ、オーガスタス! 真面目に、して」
「うん? 真面目にいじってもらいたいってことかな」
「ちっ、違うわ……!」
はいはい、とオーガスタスはなだめるような調子で言って、そのあとはきちんとリルの体を清めていった。
「それじゃあ、最後にココね」
「だ、だから……っ」
全身をくまなく拭いてもらったが、ふくらみの先端にだけは少しも触れられなかった。絶対にわざとだ。
「ココはとっても敏感だから、慎重に拭かなくちゃ」
オーガスタスは折りたたんでいたタオルを広げ、リルの胸に引かっけた。タオル生地はとても薄く、桃色が透けて見えている。
際立っているそこを、オーガスタスはタオル越しにきゅうっとつまむ。
「んん、ぅっ……!」
「あれ、どうしたのかな。僕はごく真面目にリルの乳首を拭いてるのに……。リルはずいぶんと色っぽい声を出すんだね?」
「ど、どこが真面目なのよ……! ゃっ、ぁあ」
引っ張り上げられたり押しひねられたりと、どう考えてもそこを拭くことが目的だとは思えない。
全身に、性的なところを避けて触れられていたせいでじれているところに、この仕打ちはあんまりだ。
もともと熱っぽい体がさらに熱さを帯び、頭のなかがくらくらとしてきて視界がかすむ。
リルのそんな変化に気がついたらしいオーガスタスは、
「はい、終わり。きれいになったよ」
と締めくくってタオルをぬぐいさった。
「ふ、ぇ……っ?」
いきなり終わってしまった愛撫に拍子抜けして目を丸くする。あっけにとられているリルにオーガスタスは下着とネグリジェを手早く着せた。
「さあ、ゆっくりおやすみ、リル。よい夢を」
「ええ……。あなたも、やすんだら?」
リルは口を尖らせてそう言った。その顔には不満がにじみ出ている。
「うーん、そうは言ってもまだまだ陽が高いしね。ここでリルの寝顔を眺めているよ。……というか、そうしたい」
「………」
リルは寝転がり、彼に背を向けた。
「え、どうしてそっちを向くの。そんなに寝顔を見られたくないの?」
「そうじゃ、ないけど……。なんとなく、よ。おやすみなさい、オーガスタス」
ふしだらな夢を見て、それが顔に出てしまっては困る――とは、言えなかった。
(なんだかすごく中途半端……。でも、眠い)
まぶたが重い。そうしようと思ってしたわけではないが、自然と目を閉じる。
おやすみ、とつぶやいて髪の毛を撫でるオーガスタスの手を心地よく思いながらリルはまどろみ、間もなくして深い眠りについた。