クールでウブな上司の襲い方 《 第二章 08

 ちらりとうしろを振り返り、彼のようすをうかがう。柏村の視線が胸もとに注がれていることに気がついた優樹菜はふくらみのいただきだけでも隠そうと反射的に腕を動かしたが、それよりも先に彼の両手が薄桃色をとらえた。

「んっ、ぅ……! ぁ、ンンッ」

 乳首に触れられるのと同時に耳もとに息を吹き込まれ、もしかしたらそれは彼が意図したことではないのかもしれないけれど、脇腹のあたりがゾワゾワと粟立って下半身に熱がこもってしまった。

「あ、ぁぁ……っ」

 左の乳房の先端を黄色い柔らかなスポンジが這う。シャボン玉にでも触れているかのようだ。薄桃色の表面をひかえめにたどられている。

「ずいぶんと硬く尖ってるな……」

 ひとりごとのようなささやき声が耳朶をくすぐる。優樹菜は浅い呼吸を繰り返しながら悩ましげに喘ぐ。

「は、ぁ……っん……」

 なぜ、どうして彼とこんなことになっているのだろうと、疑問に思わなくなった。もはや戸惑いはなく、むしろこうなることを望んでいたのだから――と、思考は都合よく快楽に溺れていく。

「きみは喘ぎ声もかわいい。……もっと」

 聞きたい、とかすれ声でつぶやき、柏村は右手を性急に動かした。

「んぁぁっ!」

 触れてきた指先はぬめっていた。それなのに、的確にそこをつまんで引っ張り上げる。乳首は二本の指に押しひねられながらぎゅ、ぎゅうっと上に伸ばされている。
 いっぽうで左の乳頭は押し込められていた。スポンジのなかにうもれて右往左往している。

「やっ、ぁ、ぁ」

 優樹菜は柏村が望んだとおりに喘ぎ、もだえて頬を赤らめ、彼を悦ばせる。

「かわいいよ、磯貝さん」
「ふっ、あぅぅ、んぁ……ッ」

 ふだんの彼からは想像もつかない甘い言葉に驚きつつ、そんなふうに言われるとよけいに蜜奥がうずいてじれてくる。
 優樹菜が内股をこすり合わせているところに、見計らったように柏村の左手がやってきた。スポンジを持っているほうの手だ。
 なにをされるのかと思えば、こぶしよりも大きな黄色いスポンジで脚の付け根を割られ、秘芯をぐりぐりと刺激された。

「やんっ、ンン……ッ!」

 そこに触れてほしかったのには違いないけれど、こういう触れ方ではない。

「しゅに、ん……っ! い、いじわる……イヤ」

 もっときちんと主張できればよかったのだが、右の乳首を指で激しくこねくりまわされているものだから、幼な子のようにカタコトになってしまった。

「……ああ、本当にかわいらしい。たまらない」

 柏村は優樹菜に頬ずりをしてから、黄色いスポンジを無造作にポイッと床へ投げた。

前 へ    目 次    次 へ