クールでウブな上司の襲い方 《 第三章 07

「んぁっ、う……! や、ぁぁ……。しゅに……ん、んんっ」

 遠慮のかけらもない豪胆な舌遣いが優樹菜を快楽の渦に突き落として溺れさせる。
 上半身のふたつのつぼみはずぶ濡れになってしまい、ほんの少しでも吐息がかかるとやけに冷たく感じてしまう。
 柏村は彼女の視界が妨げられているのをいいことに、目を凝らして薄桃色をまじまじと見つめ、両方のいただきを舌先でぴちゃぴちゃと執拗にくすぐった。

(主任はいまどんな顔をしてるの?)

 彼の表情が気になって仕方がない。
 柏村主任はふだんあまり表情豊かではないから、いろんな一面を見てみたいと切望してしまう。

「あ、の……、主任……っ、ふぁぁッ!」

 優樹菜に文句を言わせまいとしているのか、柏村は彼女の乳首を根もとから深く咥えて吸いたて、その頂点を舌でレロレロと上下左右に舐めまわした。
 ――優樹菜には自信がある。このベッドのシーツを濡らしてしまっているという自信が。
 必死に股を閉じてはいるが、パジャマのボトムスとショーツは膝のあたりまでずらされたままだから、彼のたくみな愛撫で身の内からあふれた淫猥な液体は素肌を伝ってシーツの上にしたたり落ちていることだろう。

「しゅ、にん……。わた、し……っ。ぁ、あ」

 もじもじと脚の付け根を擦り合わせる優樹菜を見てなにを思ったのか、柏村はひかえめにペロリとふたつの乳首を舐め上げたあと、彼女の両手に指を絡めてベッドの下方へ移動した。

「……?」

 目隠しをされたままの優樹菜には、彼がなにをしようとしているのかわからない。
 はっきりとわかるのは、両の手のひらに絡められた指がゴツゴツと角ばっていて、自分よりも太くて男らしいということだ。

「……――っ!!」

 陰毛に息が吹きかかった。柏村は優樹菜の茂みをわざとらしくふうっと吹いて、その先の秘裂に触れる予告をしたのだ。

「やっ、やだ、主任……!」

 優樹菜はバタバタと足を動かして抵抗を試みる。一方的に秘所を見られているというだけでも恥ずかしくてたまらないのに、みだらな液体をあふれさせているそこに顔を寄せられるなどもってのほかだ。

「――なんだ? もしかして、恥ずかしいのか?」

 真っ暗闇のなかに響いた柏村主任の声にコクコクと何度もうなずく。

「俺のことを襲いに来たくせに?」

 視界が閉ざされていても、彼が嘲笑しているのがわかった。そういう声音だった。
 柏村は優樹菜に目隠しをほどこしてから妙に強気だ。それとは反対に、優樹菜はされるがまま、もたらされる快感に溺れて喘ぐしかない。

「ああ、本当に……恥ずかしい蜜がどんどんあふれてくる」
「――っ、あ……!」

 愛蜜に濡れた割れ目をザラザラの舌がねっとりと這う。ソフトクリームをもったいをつけて舐め上げるような、そんな緩慢な動きだ。

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