クールでウブな上司の襲い方 《 第三章 08

 割れ目のなかの花芯がぴくぴくっと震える。両手に力がこもってしまい、すがるようにぎゅうっと彼の手をつかみ返した。
 柏村は秘裂からほんの少しだけ唇を離して、しみじみと言う。

「こんなに濡れて……。あふれ出ているぶんだけでも相当な量だ。ナカはいったいどうなってるんだろうな」
「うぅっ……!」

 あふれていると指摘されたところを舌先でくすぐられた。舌は蜜口からなかへ入り込み、浅いところをグリグリとえぐる。

「ぁっ、あ、んぅぅっ」

 足をバタつかせてもだえていると、パジャマのボトムスとショーツがどんどん足先のほうへずれていった。目もとはいまだにパジャマの上着で覆われているからそれを直接見たわけではないが、感覚的にわかった。

(私だけ、裸になっちゃった)

 柏村主任はきちんと服を着ていると思われる。視線にしろなんにしろ、これでは本当に一方的すぎる。彼ばかり、ずるいとさえ思えてくる。

「――んぁぁっ!」

 不満を感じる優樹菜をよそに柏村は蜜口から舌を引き抜き、すぐ上の莢を舌でグルリと円を描いて舐めたどることで払いのけ、なかの秘玉をあらわにしてちゅうっと口づけた。
 とたんにひときわ鋭い快感に見舞われる。優樹菜は高い嬌声を上げながら身を仰け反らせた。そして絶え絶えに懇願する。

「も……だめ、です……っ! 目隠し、早く……とって……!!」

 柏村主任の姿が見たい。顔だけでなく、体も。自分に愛撫をほどこす彼の性的な部分がどうなっているのか、確かめたくもある。

「おねが……しま、す。ねえ……っ!」
「……そんなにいやか?」

 優樹菜があまりに必死なので、柏村は彼女が目隠しを不快に感じていると思ったらしく、優樹菜の秘所に顔を寄せるのをやめて身を起こした。心配そうな表情で優樹菜の視界をひらけさせる。
 目隠しがなくなっても、薄暗いのには変わりなくて、彼の顔はよく見えなかった。それでも、全く見えないよりはいい。

「しゅに――……」

 呼びかけようとして、ふと思いとどまる。会社でもない、ましてこんなことをしている最中に役職名で呼ぶのはなんだかおかしい。
 優樹菜はしばし逡巡して、

「……慎太郎さん」

 ポツリと、小さな声でそう呼びかけた。
 名前を呼ばれたほうの慎太郎は、しばらく固まっていた。コンピュータの画面がフリーズしてしまったときのように、いっさい動かない。

「あ、あの……?」

 あまりの長い間に耐えきれなくなって優樹菜が話しかける。そっと、彼の頬に指先で触れた。
 すると、どうだろう。触れた先が、みるみるうちに赤く染まっていった。

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