クールでウブな上司の襲い方 《 第三章 15

 もっと強くされたいのか、という彼の質問には肯定しても否定しても、はたまたあいまいに答えたところできっと結果は同じだったのだろう。
 節くれだった男らしい指が、湯を弾きながら薄桃色のつぼみを奔放にこねくりまわす。

「あっ、あぁ……っ。は、ぁん……! う、んぁっ」

 こうして触れられるたびに愛しさが増していく気がする。そして、もっと――と身も心も貪欲になっていく。
 欲しくて欲しくてたまらない。愛撫が、そして彼自身が。

「――……っん」

 いつの間にか下半身にも慎太郎の手が伸びてきていた。
 湯のなかで揺らめく陰毛を手探りされる。彼の指が緩慢に裂け目を割っていく。

「……このままでも、入りそうだな」
「ふぁっ……!!」

 蜜口に指をねじ込まれたものの、そこはじゅうぶんに潤っていたので痛みはない。彼の言うとおり、すぐにでも雄物をおさめることができる状態になっていた。
 お湯のなかで、腰がふわりと難なく浮く。

「んっ、あ、アァ……ッ!」

 ぴちゃんっ、という水音とともに楔が体内を垂直に貫く。ぐりぐり、じわじわと探るように突き上げられている。そうして小刻みに押し進めるのは、湯のなかだからだろう。

「ふはっ、ぁ……」

 一物のすべてを身のうちにおさめきる。空洞にぴったりとはまり込んだそれは硬く猛々しい。
 慎太郎が腰を弾ませ始めた。湯面が大波を打つ。
 優樹菜は喘ぎながら顔をうしろに向けて慎太郎のようすをうかがった。しかし彼のほうは、顔を見られまいとしているのか優樹菜の背にピタリと顔をくっつけてしまった。

「ど、うして……うしろからばっかり、なんですかっ……?」
「どうして、と言われても。……わかるだろう?」

 先刻とまったく同じ調子で慎太郎が言った。先ほどよりもくぐもった声音だった。
 優樹菜は頬をふくらませる。

「慎太郎さんの顔、見たいです。……イクときの、顔」
「いやに露骨な物言いだな……。なおさら、見られたくない」
「ひっ、ぁあっ! ……っん、や……! はげ、し……っう、はぅっ」

 湿潤な狭道をあばれまわる肉杭は、湯のなかだというのに容赦も遠慮もかけらもなかった。

「――優樹菜……っ」

 愛おしそうに自分を呼ぶ声。そんなふうにささやかれてはすぐに達してしまうということを、学習してもらいたいものだ。

「あああっ、ん――……!!」

 はしたない大声を出す。抽送がいっそう激しくなって、たたみかけてきたからだ。
 そのあとすぐに、どくっ、どくんとふたりの体が心地よい収縮に見舞われた。
 優樹菜は実感する。
 ――満ちていくものの存在を。
 ――カラダのナカに、彼の子種が注がれたことを。

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