クールでウブな上司の襲い方 《 番外編 04

「あぁぁっ、ん、ぅぅ――……!!」

 彼の口のなかで淫核はビクビクと絶頂した。
 いよいよ自分自身を支えられなくなって、壁に寄りかかったままズルズルと膝を折る。そんな優樹菜の腰もとを慎太郎が力強くつかんだ。
 彼が立ち上がる。優樹菜は壁のほうを向かされる。

「もうっ……。また、うしろから……」

 カチャカチャというベルトの金属音を聞きながら優樹菜は愚痴を言った。

「……挿れること自体は嫌がらないんだな」
「――っ!」

 根本的なことを指摘されてうろたえる。
 そうだ、そもそもいまは業務時間で、なおかつここは会社の会議室だ。慎太郎はこの部屋の内鍵を掛けていたようだけれど、もしも誰かが会議室の使用予約をしていたら――。返却されていない鍵と、内側からの鍵。あからさまに不審すぎる。こんなことをしている場合ではない。

「慎太郎さんっ、ダメです! 挿れないで」
「ちっ、ヤブヘビだったか」

 言いながら、慎太郎は優樹菜の腰を引いて蜜壷に男根をねじ込む。

「ひぁぁあっ!」

 だめだと言ったそばから突き込まれてしまい、優樹菜は思わず悲鳴じみた嬌声を上げた。
 ずぷぷっ、と肉竿を奥へと進めながら慎太郎は片手をうしろからまわり込ませて彼女の口を塞ぐ。

「少し声が大きいな。他のやつにきみのかわいい喘ぎ声を聞かせたくないから、もう少し抑えてくれ」

 そういう問題ではない。喘ぎ声が外に漏れて、会議室でこんなことをしていると周りに知れてしまうほうが大問題だ。

「んっ、むぅ……! ふっ、ぅぅ」

 くぐもった喘ぎ声を漏らしながら壁に両手をつく。そうしていなければ、うしろからの衝撃に耐えられない。慎太郎は優樹菜の口を覆っていないほうの手で彼女の乳首をつまみあげ、腰を揺すって何度も肉壷を穿った。

「ぅっ、んっ、ん……!」

 響いているのはみだらなうめき声と、それから体がぶつかり合う音。壁の向こう側、遠くで誰かの足音がする。
 ふだん体を重ねるときよりは格段に静かだが、抽送の激しさは変わらない。むしろ過激だ。

「――……!!」

 ふたりともが声もなく達した。
 ふたりしてずるずると足を曲げ、座り込む。
 優樹菜がそっと振り返る。

「あ、髪の毛……。乱れたままです」

 乱したのは優樹菜だ。慎太郎を見上げる優樹菜の茶色い髪の毛を指ですくって、彼は言う。

「きみも、だ。セックスしてきましたと言わんばかりだぞ」
「なっ……!」

 優樹菜は口をパクパクと動かしたあと、頬をピンク色に染める彼の胸に満面の笑みで飛び込んだ。

FIN.

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