御曹司さまの独占愛 《 08

「ぁっ、ん……ん、ンンッ!」

 つまんで、引っ張って、こねて。それを繰り返されている。ただそれだけだというのに、呼吸するのを忘れてしまいそうなほど気持ちがよい。

(なに……? これは、なに?)

 いけないこと、恥ずかしいことをされている。そういう自覚はある。踏み入れてはいけない世界に足を突っ込んでしまっているのではないかと、漠然とした不安感に襲われる。

「……かわいいよ、若菜」

 ぷっくりとふくらんだ淫核を和臣は指先でぐりぐりと押し込める。

「――っ、ふ、はぁっ……!」

 よくわからないなにかが足先から昇りつめてくる。そのなにかが体の中をひた走ると、手足をばたつかせて暴れてしまいそうになる。
身もだえする若菜の体を和臣は乳房ごとやんわりと布団の上に押しつける。手のひらにおさめたふくらみをぐにゃりと一揉みしたあと、和臣はその先端を指でつまみ上げた。

「ひゃうっ!」

 まな板の上の鯉さながら身を跳ねさせる若菜を和臣は熱心に見つめ、椀をひっくり返したような形のよい乳房をふにふにと揉み込みながらいただきを指のあいだに挟んでしごく。

(和臣さまの指……気持ちいい)

 若菜はひっきりなしに「ぁっ、あっ」と嬌声を上げながら体をくねらせる。乳頭と下半身の豆粒をいじる彼の指は強くも弱くもない。その絶妙な加減がいっそう快感を煽る。

「きみの蜜……このままではシーツに落ちてしまうね」

 やけに嬉しそうな声音だった。

(蜜――って、私の……アソコから出てるの?)

 自分ではよくわからないけれど、彼が言うのだからそうなのだろう。そう言われてみれば先ほどから足の付け根が濡れている感覚がある。自分の中からなにかがあふれ出しているのは間違いない。

「舐め取ってあげようか」

 ――だれが、なにを?
 若菜は和臣が言っていることの意味が理解できない。きょとんとしたまま動かずにいる若菜の秘所へ和臣はなにも言わずに顔を寄せる。

「な、なに――……だ、だめですっ!」

 彼が赤い舌をべえっと出したことですべてを理解した若菜は慌てて脚を閉じようとした。

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