俺さま幼なじみとの溺愛同居 《 13

 弘幸は眉間のシワを深くして、

「だれかに見せるために着てんのか」

 低い声音で尋ねてくる。未来はぶんぶんと何度も首を横に振った。

「ち、ちがっ……う」
「じゃあなに?」

 クイッ、とブラジャーの肩紐をつまみ上げられる。かぁぁっ、と全身がますます火照る。

「……っ、女子力アップのためだよ!」
「女子力上げるんならまずパジャマからだろ」

 やっとの思いで答えたというのに真顔でツッコミを入れられ、未来はもう黙り込むしかない。

「未来ってほんと面白い」

 彼が眉尻を下げて穏やかに笑う。指でつまみ上げている、未来のブラジャーの肩紐に唇を寄せた。

「……いろいろと、たまらない」

 上見遣いで見つめられる。いったいなにがたまらないというのだろう。しかし問い返す余裕なんてない。いつの間にか背中にまわり込んでいた彼の手がブラジャーのホックをプチンッと静かに弾いた。

「やっ、ぁ」
「なんて声だよ。体を拭くだけだってだって言ってるのに」

 弘幸は未来の肩に口づけながら彼女のパジャマを完全に脱がせた。いま身につけているものはゆるくなったブラジャーと、透け感のある紫色のショーツだけ。

「ぜ、ぜんぶ脱ぐ必要ないでしょっ」

 未来は開き直り、何とかこの状態でとどめておこうとする。弘幸は一瞬だけ不満げに顔を歪めたが、「まあいいか」と言ってホットタオルを手に取った。

「……うしろを向いていてもいい?」

 視線をさまよわせながら未来が言うと、弘幸は小さな声で「うん」と返す。未来はごろんと寝返りを打ってベッドにうつ伏せになった。

「……なんだこれ、尻が丸見え」
「――あっ!!」

 しまった、墓穴を掘ってしまった。未来は慌ててショーツを押さえるものの、いまさらだ。

「なに、これを見せつけたかったわけ?」

 未来はぐりんぐりんと大きく首を横に振った。すると弘幸はにいっと笑って、透けたショーツ越しに未来の尻を撫で上げた。

「ふゎぁっ!」

 奇声と上げると弘幸はますます調子づいて、何度も何度もすりすりと尻を撫でる。割れ目になっているところをツウッと指でたどられると、生地越しの感触とはいえぞくりと全身が震えた。
 弘幸は右手で未来の尻を撫でながら、左手で彼女の背中をそっと拭き上げる。温かく湿ったタオルで背中を拭かれると、何でもないことなのに手足の先がぞくぞくとしびれた。
 きっと弘幸にそうされているせいだ。自分で背中を拭いたのなら、体はこんなふうに官能的な反応を示さない。

「……ん、ん」

 おかしな声が漏れ出てしまうのを抑えられず、そんな自分に戸惑う。

前 へ    目 次    次 へ