「ひぁあぁぁっ!」
未来の口から大きな嬌声が出た。それまでの、漏れ出るような喘ぎ声とは違う、より本能的な叫びだ。
「気持ちいい?」
うっとりとしたようすで弘幸が尋ねる。未来は素直にコクコクとうなずいた。ついさっきまでの、恥ずかしがっていた自分はどこへいったのやら。絶頂してしまって気が大きくなっているのか、体は素直に反応して高らかな喘ぎ声を発して快感にもだえる。
「未来とひとつになりたい」
甘えたような声で言われ、未来は先ほどと同じようにうなずく。しかしそうして同意したあとで、その意味に気がつく。
(そ、それって……!)
体全体にシャワーを浴びせられ、バスタオルでざっくりと拭き上げられる。そのままお姫さま抱っこで彼の寝室まで移動した。お互いにまだ少し髪や体が濡れている。
なにをどうすればひとつになれるのか、一応は知っている。知っているけれど、いざそういう場面になると緊張せずにはいられない。
未来に覆いかぶさっていた弘幸は身を硬くする彼女を見て困ったような笑顔になる。
「そんなすぐにはしないって」
穏やかにそう言って、弘幸は未来の体を愛おしげに撫でまわす。湿っていた素肌は彼の手に撫でられることで水気が飛んでいった。
「あ……っ、くすぐったい……よ」
「んん――おまえの肌、柔らかくて滑らかで……さわってて気持ちがいい」
肩やお腹、太ももなど、性的なところ以外を撫でまわされている。それでも、あらぬところがきゅんっと疼く。いったいどうしてしまったのだろうと思う。
(……じれったい、ような)
はっきりとはしない。けれど、もっとべつのところに触れて欲しいと思うのは、そういうことだろう。
未来は口もと手を当てたあと、視線をさまよわせながら「ヒロくん」と呼びかけた。もじもじと恥ずかしそうにしながらも胸や下半身を隠そうとしない未来を見て弘幸はぴくりと唇を震わせる。
それまで避けてとおっていた、未来のふくらんだ部分をぐにゃりとわしづかみにして、先端を指のあいだで挟んで際立たせる。そうしていっそう尖った薄桃色の部分に、弘幸は何のためらいなくもなくかぶりつく。
「ひぁっ!? やぁ、あっ……!」
触れられたい、とは確かに思っていた。けれど舌でそうされるなんてまったく予想していなかったものだから、湯上がりで火照っていた体がますます熱くなる。
ぴちゃ、ぴちゃっと雨粒が水たまりを弾くような音が弘幸の口から聞こえる。彼の口に含まれてしまった乳頭は吸い上げられたり舌でなぶられたりしてひっきりなしに翻弄される。
「ふぁ、あ……っん、んぁあッ、ぁう」
舐められているところから体のすべてがとろけだしてしまうのではないかと、そんな馬鹿げたことを考える。それくらい、気持ちがよいのだ。
眉間にしわを寄せて弘幸は未来の胸をむさぼる。余裕はいっさい感じられない。