スパイラル・ストラップ 《 09

 優香が高らかに喘ぐ箇所を見つけて記憶し、的確にそこをつつくのだ。
 この数分で、体のナカを知り尽くされてしまったような気がする。
 優香はヒクヒクと小さく打ち震える自分自身をどうすることもできなかった。
 このまま絶頂したらどんなに気持ちがいいだろう。けれど、神澤は素直にそうさせてくれるだろうか。

「いきたければいくといい」

 その言葉に反して神澤は手の動きを緩める。これでは頂上までのぼりつめることができない。

「ふっ……ぅ、んん……神澤、さん」
「……うん?」

 目隠しをしていても、彼がいまどんな表情をしているのか頭のなかに浮かんだ。

 優香はゴクリと喉を鳴らして意を決する。

「いきたい、です……だから、もっと……して、ください」

 恥ずかしいだとか、これでは彼の思うつぼだとかいうことはもはや度外視だ。
 それよりも、このくすぶりをどうにかしたかった。

「……そう」

 すぐにまた愛撫が再開するものと思っていた優香は、しばらく神澤がなにもしないので不安になった。まさかこのまま放置されるのではないか、と。

「……神澤さん?」

 恐々と呼びかけるのとほとんど同時に響いたのは、なにかがピリピリッと裂ける音。

「もっとして――っていうのはこういう解釈で合ってる?」

 両脚を左右に広げられ、その中心にあてがわれたのは指や舌ではなかった。感覚的にすぐにわかる。彼の肉杭だ。
 優香は少しためらったものの、こくっと小さくうなずく。
 ――もう欲しくてたまらない。

「っ、あ……!」

 彼のそれがどれくらいの大きさなのか目で見ることができないからか、切っ先を突き込まれただけでも圧倒的な存在感があった。

「ふっ――ぁ、アッ」

 肉茎はあっという間に最奥まで達して、もう一分の隙もないというくらいに、蜜壷は彼のそれで埋め尽くされた。

「……平気?」

 人の手首を縛って目隠しまでしておいて、いまさらそんな気遣いを見せるのか。
 心の奥がきゅんっとしてしまって、何だか悔しくなる。
 優香は小さくうなずいた。
 神澤が動き出す。いやに慎重だ。出端から激しくされるものと思っていただけに、少し面食らう。

「ん……っ、ふぅ……」

 蜜壷に己の形をじっくりとなじませるようにして神澤は緩やかに抽送する。

「は……ぁ、あっ」

 優香の呼吸に合わせてそうしているようだった。
 初めはくちゅ、くちゅっと小さな音だったが、しだいにぐちゅうっと大きな水音が立ち始める。
 優香の女壷は神澤の肉棒になじんで大いに悦んでいる。

前 へ    目 次    次 へ