「明日が何の日か知ってるか、時任」
部長のデスクの前で会議資料をチェックしてもらっているときだった。
突然、真顔でそう尋ねられ、理沙はオフィスの天井に目をむけて考えた。
(部長の誕生日はまだだし……私のでもない)
付き合った記念日でもないし、全く見当が付かない。
理沙が黙り込んでいると、見かねたようすの部長がため息をついて口をひらく。
「明日は2月22日。にゃーにゃーにゃーで猫の日だ」
「ぷっ!」
真顔で言うものだから、会社だということも忘れて吹き出してしまった。
「……詳細は帰ってから話す」
部長はまわりに聞こえないような小さな声でそう言って、ふたたび資料に目を通し始めた。
理沙は笑いをこらえながら、少し照れたようすの部長を見おろした。
部長はいつも無表情だと思っていたけれど、じつはそんなことなくて、いまのようにささやかだけれど表情が変わることを理沙は知っている。
その日の夜、一緒に夕飯を食べているときに、明日の猫の日は部長の弟さんカップルと一緒にきららのお祝いをしようという提案をされた。
「明日は出前を取って、楽に過ごせ」
「私、なにか作ってもいいですよ?」
「いや、たまにはゆっくりしていろ。おまえの祝いでもあるんだから」
「何で? 主役はきららでしょ」
理沙はひざのうえで気持ちがよさそうに眠っている猫を撫でた。
明日はきららの好物を手作りしてあげようと思ったのに。
「おまえも一緒だ。俺に飼われてるんだからな」
「はぁ!? ……っもう、いいです。明日は本当になにも作りませんからね!」
つい撫でる手に力が入ってしまったのか「に゛ゃー!」と鳴きながらきららは理沙のひざのうえを飛び出していってしまった。
***
部長の弟さんカップルと合同の猫の日祝いは無事に終わり、理沙は後片付けをしていた。
けっきょく、夕飯は手作りしてしまったのでふだんとあまり変わらなかった。
「おまえ、弟の彼女とやけに盛り上がってたな。今度、飯の作りかたを教えに行くと約束までして」
「だってあんなに熱心に頼まれたら断れないじゃないですか。それに、私も同世代の女の子と料理をするのは楽しいです」
「同世代……なのか? おまえのほうが歳食ってるだろ」
「ひどいっ、ふたつかみっつしか違わないですよ。それにしても、意外でした。部長が弟さんとの食事会をセッティングするなんて」
カチャン、カチャンと食器を水切りに並べる音だけがしていた。
突然、途切れてしまった会話。不安になって、理沙は手を止め部長を振り返った。
「……近い将来、おまえの弟にもなるだろうから。早めに顔合わせしただけだ」
振り向きざまにぎゅうっとうしろから抱き締められ、理沙はまだ濡れた手のやり場がなかった。
(どうしよう、そんなことを言われるなんて、少し……ううん、すごく嬉しい)
「風呂、一緒に入るか」
「……まだ、洗いものが残ってます」
「それくらいならあとで俺がやっておく」
そのまま服を脱がされながらお風呂場へとうながされる。
浴室に入る前から乳房を入念に愛撫されて、それだけで理沙は秘部が熱くなった。
「んっ、ん……ちょ、頼智さん……っあ、やん……んくっ」
「もう欲しくなったのか?」
「ふぁ、はふ……うう、あ、んんっ!」
ボディソープを泡立てた彼の手は理沙の身体をあますことなく這いまわり、特に敏感な上半身の尖った先端は両手でつままれたり押し潰されたりしている。
ベッドまでは待てそうにない。理沙は彼の男根が欲しくてたまらなくなっていた。
「んんっ、早く……ちょうだい……っん、大きいの、ちょうだい……っぁあ」
「やれやれ、ずいぶんと淫猥なことを言うようになったな」
浴槽に手をついて彼のモノを受け入れる。挿し込まれた猛々しい肉棒はすぐに最奥を突いて、理沙は大きな嬌声を上げた。
「あ、ああっ……っんん、ひぅ、う……ああんっ!」
激しくなっていく律動に合わせて下半身の小さな突起を揉み込まれ、理沙は身体を支えているのがつらくなって浴槽の端に腕と顔を突っ伏した。
「ナカに、出すぞ……っ」
「ん、んん……っ、あ、出して……たくさん、ナカに……っ!」
自分でもなにを口走っているのかわからなかった。けれど本能がきっとそう言わせたのだと思った。
部長の脈動は心地がよい。精液が、膣肉を侵して満ちていく。
部長のデスクの前で会議資料をチェックしてもらっているときだった。
突然、真顔でそう尋ねられ、理沙はオフィスの天井に目をむけて考えた。
(部長の誕生日はまだだし……私のでもない)
付き合った記念日でもないし、全く見当が付かない。
理沙が黙り込んでいると、見かねたようすの部長がため息をついて口をひらく。
「明日は2月22日。にゃーにゃーにゃーで猫の日だ」
「ぷっ!」
真顔で言うものだから、会社だということも忘れて吹き出してしまった。
「……詳細は帰ってから話す」
部長はまわりに聞こえないような小さな声でそう言って、ふたたび資料に目を通し始めた。
理沙は笑いをこらえながら、少し照れたようすの部長を見おろした。
部長はいつも無表情だと思っていたけれど、じつはそんなことなくて、いまのようにささやかだけれど表情が変わることを理沙は知っている。
その日の夜、一緒に夕飯を食べているときに、明日の猫の日は部長の弟さんカップルと一緒にきららのお祝いをしようという提案をされた。
「明日は出前を取って、楽に過ごせ」
「私、なにか作ってもいいですよ?」
「いや、たまにはゆっくりしていろ。おまえの祝いでもあるんだから」
「何で? 主役はきららでしょ」
理沙はひざのうえで気持ちがよさそうに眠っている猫を撫でた。
明日はきららの好物を手作りしてあげようと思ったのに。
「おまえも一緒だ。俺に飼われてるんだからな」
「はぁ!? ……っもう、いいです。明日は本当になにも作りませんからね!」
つい撫でる手に力が入ってしまったのか「に゛ゃー!」と鳴きながらきららは理沙のひざのうえを飛び出していってしまった。
***
部長の弟さんカップルと合同の猫の日祝いは無事に終わり、理沙は後片付けをしていた。
けっきょく、夕飯は手作りしてしまったのでふだんとあまり変わらなかった。
「おまえ、弟の彼女とやけに盛り上がってたな。今度、飯の作りかたを教えに行くと約束までして」
「だってあんなに熱心に頼まれたら断れないじゃないですか。それに、私も同世代の女の子と料理をするのは楽しいです」
「同世代……なのか? おまえのほうが歳食ってるだろ」
「ひどいっ、ふたつかみっつしか違わないですよ。それにしても、意外でした。部長が弟さんとの食事会をセッティングするなんて」
カチャン、カチャンと食器を水切りに並べる音だけがしていた。
突然、途切れてしまった会話。不安になって、理沙は手を止め部長を振り返った。
「……近い将来、おまえの弟にもなるだろうから。早めに顔合わせしただけだ」
振り向きざまにぎゅうっとうしろから抱き締められ、理沙はまだ濡れた手のやり場がなかった。
(どうしよう、そんなことを言われるなんて、少し……ううん、すごく嬉しい)
「風呂、一緒に入るか」
「……まだ、洗いものが残ってます」
「それくらいならあとで俺がやっておく」
そのまま服を脱がされながらお風呂場へとうながされる。
浴室に入る前から乳房を入念に愛撫されて、それだけで理沙は秘部が熱くなった。
「んっ、ん……ちょ、頼智さん……っあ、やん……んくっ」
「もう欲しくなったのか?」
「ふぁ、はふ……うう、あ、んんっ!」
ボディソープを泡立てた彼の手は理沙の身体をあますことなく這いまわり、特に敏感な上半身の尖った先端は両手でつままれたり押し潰されたりしている。
ベッドまでは待てそうにない。理沙は彼の男根が欲しくてたまらなくなっていた。
「んんっ、早く……ちょうだい……っん、大きいの、ちょうだい……っぁあ」
「やれやれ、ずいぶんと淫猥なことを言うようになったな」
浴槽に手をついて彼のモノを受け入れる。挿し込まれた猛々しい肉棒はすぐに最奥を突いて、理沙は大きな嬌声を上げた。
「あ、ああっ……っんん、ひぅ、う……ああんっ!」
激しくなっていく律動に合わせて下半身の小さな突起を揉み込まれ、理沙は身体を支えているのがつらくなって浴槽の端に腕と顔を突っ伏した。
「ナカに、出すぞ……っ」
「ん、んん……っ、あ、出して……たくさん、ナカに……っ!」
自分でもなにを口走っているのかわからなかった。けれど本能がきっとそう言わせたのだと思った。
部長の脈動は心地がよい。精液が、膣肉を侵して満ちていく。