ひきこもり令嬢は囚われの貴公子に溺愛される 《 第二章 囚われの貴公子は自由奔放 16

「いえ、その……。ぁ、あ……っ!」
 先ほどまでとは打って変わってオーガスタスはリルの乳頭にぱくりと大きく食らいつき、口腔におさめて舌で激しく舐め転がした。ドロワーズのなかに性急に手をくぐり込ませ、陰毛を伝って裂け目を目指す。濡れた莢を指がむく。
「アアッ、う……っ! やっ、ふぁっ……!!」
 敏感なところにいっぺんに触れられて、どうすればよいのかわからない。どうする必要もないのかもしれないが――。
 乳首は吸い立てられ、下半身の豆粒はまわりを指でえぐられている。そんなふうにされると、出したくない嬌声が際限なくあふれてしまう。
 リルは「ひぁっ、あぁっ」と喘ぎながら腰を揺らして身もだえする。
「気持ちいいの? くねくねしちゃって」
 オーガスタスは自身の濡れた唇の端をぺろりとわずかに舐めてから言った。
 リルは黒い髪の毛を左右に揺らして彼の問いかけを否定する。大嘘つきだと自分でも思う。
「そう。じゃあ、よくなるように努力する」
「やっ、ぃぁっ……!」
 下半身の小さな突起の根もとをきゅっ、きゅっと二本の指で挟まれ、快感でひざがガクガクと震えてくる。
 早く終わってほしいような、このまま続けてほしいような――妙な心地だ。
 彼の親指と人差し指に挟み込まれて押しつぶされている肉粒は明らかにくすぶっている。強くも弱くもない微妙な力加減だからだ。
「んくっ、うぅ……っ」
 そこに触れられるのには抵抗があったはずなのに、脚はだらんとはしたなくひらいてしまっている。
 そのことに気がついたリルはハッとして股を閉じた。
「ん? リル、そんなふうにしたら指が動かしづらいよ」
「う、動かさなくて、いい……」
 リルがそう言うなりオーガスタスは花芽に触れるのをやめ、ドロワーズのなかから手を引き抜いた。
「え……? あ、いえ」
 やめてしまうの、と一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。この気持ちを悟られただろうかと不安になった。黙りこくって相手の出方を待つ。
 オーガスタスは薄くほほえんだままリルから遠ざかっていく。
(なんだかよくわからないけど、もうやめるみたいね)
 リルはそそくさとシュミーズの前ボタンを留めにかかる。するとオーガスタスが彼女の手を覆うようにつかんで制した。
「まだ隠さないで。言っておくけど終わりじゃないよ? 指で触れられるのはお気に召さないようだから、舌でつつくことにしただけ」
「舌、で……つっ、つつく!?」
 なかば叫ぶように尋ね返した刹那、ドロワーズをずるりと引き下げられた。いっきに足首のあたりまで脱がされたかと思うと、両ひざを左右に割られ、そのあいだには――オーガスタスの秀麗な顔がある。
「~~っ!!」
 秘部を間近で見られているのが恥ずかしいし、なにをされるのか想像しただけで恐ろしくなる。
 穴があるなら入って隠れたい。これからの行為を少しだけ期待してしまっている自分を隠したい。せめて胸だけでも隠そうと両手を動かしていると、それすらも阻まれてしまった。
 オーガスタスはシュミーズからはみ出たままのリルの双乳に両手を添え、それからぐにゃぐにゃと揉みくちゃにした。
「やっ、だ……ぁっ!」
 次から次にあふれる自分自身の甘い声にうんざりしつつ、それでも喘がずにはいられない。
 湿ったふたつの乳頭を彼の指がこりこりと押し上げてくる。下半身の秘めた核は宣言どおり舌で触れられている。
「ああっ、う、ぁぅぅっ……」
 控えめに、試すように舌先が花芽をくすぐる。
「ココ……ぷっくりふくらんで、かわいい。本で見たのよりもずっと綺麗だ」
 彼はいったいどんな本を見ていたのだ。とんでもなく卑猥なものに違いない。
「ッ、ひゃあっ!」
 ふうっ、と息を吹きかけられた淫核はヒクッと過剰に応えて震え、肢体の先まで快感を伝えて痺れさせる。
「ずいぶんと敏感なんだね?」
 くにくにと両方の乳首を指でこねくりまわしながらオーガスタスが言った。
「ご、ごめん、なさい」
「え、なに。どうして謝るの」
「わ、わからな……っう、んぅぅ!」
「敏感なほうが嬉しいよ?」

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