ひきこもり令嬢は囚われの貴公子に溺愛される 《 第二章 囚われの貴公子は自由奔放 17

 オーガスタスの口角が嬉しそうにつりあがる。白金髪が揺れ、ふたたび陰部に近づく。
(っ、もうなにも考えられない……!)
 あるひとつのことをのぞいては思考が止まってしまった。秘めた裂け目の花芯をまさぐる熱い舌のこと以外には気がまわらない。
「ううっ、ひぁぁ……ッ!」
 じゅっ、じゅぷぷっとなまめかしい水音が響く。割れ目のなかを勢いよく吸われている。
 上半身のつぼみはねんごろに押しなぶられ、つまみ上げては落とされ、強くひねりまわされる。
 痛みをともなっているのに、やめてほしいとは思えず、そんな自分にも嫌気がさす。
「ああっ、だめ……! なにか、へん……っ。あ、あ、ううッ――!!」
 なにかが弾けとんだ。
 下半身はびくんびくんとひとりでに脈動している。
 額は汗だくで髪の毛が張り付き、呼吸が荒いせいで口は閉じることができず半びらきだ。
 達したばかりの、煽情的に乱れたリルをオーガスタスはしげしげと見おろす。
「ねえ、リル。体液といえばやっぱりコレだ――って、僕は思うんだよね」
 胸を上下させながら呆然とするリルを上目遣いで見つめ、オーガスタスは黒いトラウザーズを下履きごとずらした。
「ひゃ……っ!!」
 急に両手を力強く引っ張り上げられてあせる。片足を折り曲げて横向きにソファに座るオーガスタスの正面に倒れ込んだ。
 少しだけ下がったトラウザーズからのぞいているのは、男性の象徴。初めて見るそれにリルは釘付けになる。
「……もしかして、リルはこれが好きなの?」
「はっ、はぁぁぁ!?」
 ぎゅんっ、と擬音が聞こえそうな勢いで頭のてっぺんまで熱が立ちのぼる。
「そそそ、そんなわけ、ないでしょ」
 そっぽを向いて視線をさまよわせるリルをオーガスタスはどこか嬉しそうに眺めた。
「あんまりまじまじと見つめられると、少し照れる。ね、早く舐めて……。目は閉じてて」
「なっ、な、舐めるって……これを?」
「そうだよ。……嫌かな」
 オーガスタスは悲しそうに眉尻を下げている。
「嫌じゃ……、ない」
 彼の悲しげな顔を見ていたせいか、ついポロッと言ってしまった。
「あ、ええと、その」
 正直なところ、男性のそれに興味があったのかもしれない。
 とにかく、自分がなにかされるよりはだいぶんマシだと思った。きたならしいとか、そういう感情はあまりない。
「……じゃあ、お願い。リル」
 甘えた猫なで声にいざなわれて彼の下半身に顔を寄せ、目を閉じる。手探りで一物を見つけ出す。少しだけ指で触れた。硬い。
「ん……。リル、そこ……根もとのほう、舐めて」
(根もと……。どこにあるの)
 張りつめたそれの根の部分を指でもぞもぞとさぐる。目を閉じているせいで、いま自分が肉棒のどこに触れているのかよくわからない。
 そもそも、勃起した男性器がどんな形なのかを把握していない。
「こ、ここ……?」
「うん、そう……。舌でべろべろって、できる? 蛇になったつもりで動かしてみて」
 また蛇か、と思いながらも言われたとおりに舌を出し、左右に動かした。
「ぁ……っ。いいよ、リル。じょうずだ」
 褒められると増長する。リルはいっそう大胆にレロレロと肉竿の根もとに舌を這わせた。
「……もしかして、こういうのすごく慣れてる?」
「ふ……っ!?」
 紅い瞳が大きく見ひらかれた。
 オーガスタスはリルの白い乳房を下から持ち上げ、先端を親指でくにくにと揺らした。
「やっ、あ……っ!」
「こら、目は閉じていなくちゃ。さあ、続けて……。リルの舌、熱くてすごく気持ちいい」
「うぅ、ん……っ」
 リルは抗わずに口淫をほどこし続ける。なぜ素直にしたがっているのか自分でもわからない。
「ん……。そろそろ咥えて」
「ん、む」
 肉竿を口に含むと、乳首をいたぶる指の動きが激しくなった。
「上下にこすって……。手も、同じように」
 気付かれないようにうっすらと目を開けて肉茎をつかみ、ふたたび閉ざして指示どおりに手と舌を上下させる。
「ああ……。リル、一所懸命にしてくれてるんだね。かわいい」
「ふ、ぅ……っ」
 硬い乳首を指で強くこすり合わされ、下半身に潤みが戻ってくる。

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