ひきこもり令嬢は囚われの貴公子に溺愛される 《 第二章 囚われの貴公子は自由奔放 18

「僕もお返しがしたいな。ねえ、舐めあいっこしようか」
 そう言うなりオーガスタスはソファに寝転がった。
「んんっ!?」
「リルはお尻をこっちに向けてくれる? 僕にまたがるんだ。これ、やってみたかったんだよね」
「な、な……っ?」
「ほら、早く」
「ちょっ、や、なにす……っ」
 リルのドロワーズはいつの間にか足先から抜けていて、下半身はなにも身につけていない状態だった。オーガスタスは彼女のドレスを腰までばさりとめくり上げて尻を丸出しにして、パンパンと叩いた。
「ひゃっ! や、やだっ、叩かないで」
「リルがうしろを向いて僕に馬乗りになるまでずっと叩くよ」
「うっ、ぅ……」
 半べそをかきながらリルは彼に尻を向けた。
(どうしてこんなことになってるのよ……!)
 責めるべきは彼だけではない。リル自身、内なる好奇心に完全に負けてしまった。
 オーガスタスの言うとおりにすることで、いままで知り得なかったなにかが拓けていく。リルはその虜になりつつあった。
「もっと上だよ。そんなところにいたんじゃ舌が届かない。それにリルも僕のを舐められないでしょ?」
「う、ん……っ」
 四つん這いのままあとずさりする。どこまで下がればよいのかわからずにいると、ポンッと尻を叩いて止められた。
 大きな手のひらが臀部を覆って下へ引っ張る。
「あ、の……っ! ちょっと待って」
 彼にまたがってしまったあとで、急に恥ずかしさが込み上げてきた。しかしオーガスタスがそのたったひとことでやめるわけがないと、頭の片隅ではわかっていた。
「お互いさまなんだから恥ずかしがらなくていいよ。リルも、ほら。さっきの続きをして」
 硬く勃ち上がったままの肉茎を見つめ、そっと手に取る。
 今度はしっかり目を開けていた。目を閉じていろとは念押しされなかったし、うしろ向きだから従わなくても彼には知れない。
 窓から射す午後の陽光は男性のそれをありありと照らす。同様にリルもオーガスタスに淫部を見られているのだということは失念していた。
「リルの……まだ、濡れてるね」
 はっとして振り返る。オーガスタスはリルの裂け目を指で広げ、淫核をつうっと撫でて蜜口にちゅぷっと指の先をわずかに沈めた。
「やっ、見ちゃ……っ、いや」
「そういうリルだって、僕のをじろじろ見ているでしょ。さっきも言ったよね、お互いさまだって」
「んうぅっ、ふ……っ!」
 彼の指先が膣口をくちゅくちゅとえぐる。そうされながら「リルも早く」と急かされた。
 リルは口を大きく開けて剛直の先端を食む。するとオーガスタスも、リルの秘所を舌でおおざっぱに舐め上げた。
「ふぅっ、う……!!」
 荒っぽい愛撫だというのに、とたんに両手両足がぴりぴりとうずき、熱を帯びてくる。
 いったいなにをしているのか――されているのか、脳が認識しない。それでも、施し施されている体は確実に快感を覚えてもだえる。
「ん、く……っ」
 口いっぱいに陰茎を含んでいるから喘ぎ声はくぐもっている。その代わりに鼻から息が荒く盛大に抜けていく。
 鼻息が荒いと思われないだろうかと無駄な心配をしていると、考え事のせいで上下運動がおろそかになっていたのか、せっつくように乳首を下からぎゅうっと両方ともつままれた。
「ンンッ、ぅぅ……ッ!」
 花芽をなぶる舌の動きも指と同じで激しくなる。リルは本能的に彼に応えて頭と手を上下させる。先ほどよりもいっそう硬くなったような気がする。
(あ、ああ――同じだわ)
 肢体が快感で緊張してきた。高みへのぼりつめているのがわかる。
 自分自身が感じている高まりをオーガスタスにも伝えたくて、リルは肉棒の先端をや裏側をレロレロと舐めまわした。
 頭を上下させながら舌を動かすのは少しつらかったが、それをすることで彼が気持ちよくなるのなら――。
(―――っ!?)
 口腔で肉塊がびくびくと暴れている。突如として口内に注ぎ込まれたなにかをリルはどうしようもなく飲み込んだ。
 そうして驚いているいとまもなくリルも絶頂する。
 ああ、またこれを味わうことになるなんて。

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