ひきこもり令嬢は囚われの貴公子に溺愛される 《 終 章 想いのままに 04

 かすれ声がリルに追い打ちをかける。思いの丈を素直に告白せずにはいられなくなる。
「わ、わたし、も……」
 小さな声で告げると、リルの素直な返答に驚いたのかオーランドはわずかに目を見ひらき、しかしすぐに細めてはにかんだように笑った。
 その顔のまま唇を寄せられた。拒む理由などひとつもなく、積極的に受け入れる。
「ンン、ふ……ッ」
 いつになく余裕のない口付けだ。そんなふうに感じた。じれているのはきっとリルだけではない。
 背中にまわっていたオーランドの手が両方とも前へやってきて、泡まみれの乳房を揉みしだく。
「んぁっ、く、ふ……!」
 ぴちゃぴちゃと舌をなぶられながらふくらみを揉み込まれると、じれていた体がいっそう疼きを増して甘く反応する。
 オーランドはあまりじらすことはせず、すぐにいただきに触れた。ぬめりのある指が乳首をくにくにと揺らす。
 リルの腰の連動して揺れた。くねくねとうねる下半身にもオーランドは手を伸ばす。
「ふぅっ、あぁ……っ」
 糸を引いて唇が離れ、そのかわりに下半身の淫唇に彼の指が這う。
 そこがぬめりを帯びているのは泡のせいだけではない。オーランドの裸を目にしたときから――いや、もしかしたらもっと前から、彼のことを想っているときすでに蜜があふれていたのかもしれない。
 乳房と、それから下半身の花弁をぬるぬるとうごめく彼の両手がたまらなく気持ちがよい。
「あぅっ、ん、んぅっ……」
 リルはオーランドの肩にすがるように両手を乗せ、喘いだ。身をよじりながら、泡まみれになった彼の肩を撫でまわす。
「ん、リル……。くすぐったいよ」
 めずらしくオーランドの頬が上気している。いつも余裕たっぷりの彼だが、どうやらいまは違うらしい。
 リルは「ふんっ」と鼻から多分に息を吐き、彼の肩に置いていた手をゆっくりと動かして胸板に添わせた。
「えっ? ちょ、リル」
「いつもやられてばかりじゃ、ないんだから」
 人差し指でオーランドの小さな乳首をくすぐる。
「だっ、だめ」
 するとオーランドはあわてたようすでリルの両手首をつかんだ。
「ずるいわ、オーランド。あなたはいつも私にさわり放題なのに……。私だって、あなたに触れたい。触れて、どんな顔をするのか見てみたい」
「……っ、困ったな」
 リルは「お願い」と口にしてずいっと身を乗り出し、彼にせまった。あまりに長いことじらされていたせいで大胆に――貪欲になっている。一方的に触れられるだけでは物足りない。
「ん……、わかった。でも、ほどほどにしておいてね? ……そこ、くすぐったいんだ」
 オーランドはリルの手首をつかむのをやめ、ふたたびふくらみをわしづかみにした。
「ん……」
 あいまいに返事をして、オーランドの乳首を指でこすり立てる。
「ッ、リル……!」
「あなたの、まねを……っん……してる、だけ……」
 本当にその通りだった。彼が乳頭を押しなぶれば、同じようにそうした。
 オーランドは苦悶の表情を浮かべてリルのふたつのつぼみをぎゅうっと引っ張った。
「ぁ……っ! ずるい」
 彼の乳首は小さいので、引っ張り上げることができない。指が泡ですべってしまって、つまめないのだ。
 不満気に眉根を寄せるリルを見おろしオーランドは提案する。
「ねえ、そこよりももっとほかにさわってほしいところがあるんだけど」
 いくぶんか余裕を取り戻したらしいオーランドはニッと口角を上げ、片手をリルの脚の付け根へ滑らせた。同じように下半身に手を伸ばせ、と顔に書いてある。
 彼の乳首をいじるのをあきらめ、しぶしぶ右手を下へ動かす。
 たどり着いた先はすでに奮い立っていた。指先でわずかに触れただけでも、硬さがよくわかった。
「僕がするのと同じようにしてね……?」
「んっ、う、ん……」
 割れ目を指でこじ開けられた。びくんと体を震わせつつ返事をして、猛々しい一物をつかむ。
 秘裂は愛蜜と泡でこのうえなくぬめっていた。オーランドはリルの秘芯を指でぐりぐりと押す。
(押せば、いいのよね……?)
 肉塊の先端を数本の指で押してみる。リルの淫核は小さいので指一本でもじゅうぶんだが、彼のそれは指ひとつでは足りないだろうと思ってそうした。

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