快感マッサージチェア 《 02

どくん、と下肢の付け根が疼いた。

(やだっ、私ったら……何で)

秘部が潤み始めている。目の前で乱れ喘ぐ女性が彩奈の性的な好奇心を高めているのだ。

「ね?体験してみたくなったでしょ」

低く掠れた声を耳に吹き込まれ、身体が跳ねる。男性は彩奈の服を脱がせにかかっている。

(少し……少しだけでもあそこに座れば、きっと帰してもらえる……)

ここから出るために、仕方なくやるのだ。そう自分に言い聞かせて彩奈は服を脱ぎ、ズラリと並んでいる五台のマッサージチェアのうちの一番奥に座った。

「ん……っ」

座るとすぐに乳房の横から人の手のようなものが出てきて、彩奈の膨らみを撫で始める。

「このマッサージチェアは、乳房の大きな人でもそうでない人でも愉しめるように最適な圧力がかかるようにプログラムされているんですよ」

頭上から聞こえてきた声に驚いて見上げる。彩奈を部屋に閉じ込めた男性が椅子の背もたれの上に顎を預けてこちらを見下ろしていた。

「なっ、見ないで下さい!」

胸元を隠そうとすると、それを察知したかのように肘掛けに乗せていた両方の手首にベルトが渡り、椅子に はりつけられた。

「すみませんね、モニターのかたを観察するのが俺の仕事なので」

男は飄々と言って微笑む。両手首のベルトを外そうと力を入れたけど、びくともしなかった。

「だったら私ばっかり見てないで、先にいたひとも見える位置に行きなさいよ」

こんな男相手に敬語を使うのはバカバカしい。彩奈はつっけんどんに言った。

「さっきのかたはもうお帰りになりましたよ。だから今はあなた一人」

「え……っ!?」

一台目のマッサージチェアはもぬけの殻だった。

(いつの間にいなくなっちゃったのよ……!)

憤然と前を向き、うつむく。この男の視線が自分に集中しているのが居た堪れない。

「俺、あなたみたいなひとタイプなんですよね」

「っや、触らないでってば……あ、ん……ッ!」

男に頭を撫でられるのと同時に機械じかけの両手に乳首を捻られ、大きく喘いでしまった。

「顔も声もおっぱいも素敵ですよ」

「やめてったら……っ、ぁぅっ……」

耳殻を辿る指は冷たい。男の指はそのまま頬を伝って口の中に入る。

「んんっ、ん……!」

指で舌を押さえられ、思うように声が出せない。男は愉しんでいるのか笑い声を上げている。

「はは、可愛いなぁ。涙目になってますよ」

「んぅ、う……っ」

息苦しい。こうなったら男の指を思い切り噛んでやる。本当に噛まなくても、歯を突き立てれば指を抜くと思った。

「……どうぞ、噛んでいいですよ」

しかし男にそんな素振りはなく、それどころか彩奈を煽っている。

(血が出るくらい噛み付いてやるんだから)

頭には とうに血がのぼっている。歯を噛み合わせようと試みる。だけどーー。

「どうしたんですか、噛まないんですか?」

もし彼に怪我を負わせたら、のちのちそのことで難癖をつけられるかもしれない。ここから出たら彼を訴えるつもりでいた彩奈はグッと押し留まった。

「優しいんですね、彩奈さんは。それとも臆病なのか、あるいは狡猾なのか」

考えを見透かされているようで胸焼けがした。人の指を噛む勇気がなかったのも確かだ。臆病と言われれば、そうかもしれない。

「ますます気に入りました。そうだ、自己紹介がまだでしたね。俺は修吾と言います。修くんって呼ばれることが多いかな」

ようやく彩奈の口から指を抜いた修吾は正面に回り込んで来て、自身の名刺らしきものを差し出した。

「こんな状態で受け取れるわけないでしょ……受け取る気もないけど」

「まあそう言わず。バッグに入れておきますから」

「勝手に入れないで……っあ、ンンッ!」

無遠慮に入れられたのは名刺だけではなかった。マッサージチェアに備わっていた棒切れが下半身の秘裂をこじ開ける。脚を閉じようとすると、手首のときと同じように自動的に出てきたベルトに太ももを固定されてしまった。

「彩奈さんのま●こはずいぶんと綺麗な色してますね。ちゃんと旦那さんとセックスしてます?」

「っは、ふぁぁ……ッ」

何たってこの男は痛いところを突くんだろう。主人とは半年以上ご無沙汰だ。なにせ夫は海外に出張している。あと数ヶ月で帰って来るとは言え、新婚早々に出張が決まってしまって、夫とは数えるほどしか していない。

「何も言わないってことは図星ですか?もったいないなぁ、こんなに敏感なのに……わ、すげぇグチャグチャ」

「や、んっ……見ないで……あ、アアッ!」

機械棒は膣内を縦横無尽にうごめいて抜き差しを繰り返し、その度にグチュグチュと音を立てて淫液が掻き出される。座面は彩奈の愛液でビッショリと濡れていた。

「ク●トリスがヒクヒクしてますね。このマッサージチェアにはココを弄る機能がついてないのが残念なんですよねーー。だから俺が弄ってあげます」

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