快感マッサージチェア 《 07

修吾とともに入ったホテルは新築なのかどこも綺麗だった。誰もいないフロントからエレベーターに乗って一番上の階まで行く。部屋の中も真新しく、新築の部屋らしい独特のにおいがする。

「……元気 出して下さい、彩奈さん」

部屋に入るなりバフッと勢いよくベッドに押し倒される。彩奈は無抵抗で仰向けになっていた。

「別に、落ち込んでないし」

「そうですか?ヤケになって、俺に抱かれても良いと思ってるんじゃないですか」

彩奈に馬乗りになった修吾は真剣な顔つきで問う。

「俺は中途半端な気持ちで彩奈さんを連れて帰ってるわけじゃ無いですよ」

「そんなの……どうだっていい。私はただ、居心地の悪い実家を出るためにあなたを利用してるだけ」

彼が目を細めた。口角は徐々に上がっていく。

「本当に正直ですね。うらやましいくらい。俺は構いませんよ。仮に彩奈さんに利用されているとしても、俺にとってはそれが《どうでもいい》ことだ」

「ん……っ」

それ以上は会話できなかった。唇を覆われ、舌がすぐに割り入ってくる。彼の舌遣いは以前よりも余裕が無いように感じた。

「ぁ……」

シンプルなカットソーにGパンという、色気のない服を脱がされていく。何もまとうものがなくなったところで、それまで喋ってばかりいた彼が急に話さなくなったから、少し気まずかった。

「……こんな女に欲情するものなの?すっぴんだし……バツイチだし」

修吾はスーツのジャケットを脱ぎながら、驚いたように目を見開く。

「コレ見れば分かるでしょ?」

ずり下げられたトランクスから出て来た一物は高々とそそり立っていた。凝視してしまったのが恥ずかしくなって、視線を逸らす。

「彩奈さんは綺麗ですよ。その身体には心を映してるんじゃないかな」

「あなたってホント、口が上手い」

「よく言われます。でもさっきのは彩奈さんにしか言ってないし、当てはまらない」

「……ん、ぅ」

修吾は彩奈の耳たぶを口に食み、舌で弄ぶ。耳はいやだ。わき腹のあたりを柔らかい羽根で撫でられているようなくすぐったさを覚える。彩奈は彼の意外と厚い胸板を手で軽く押しながら、

「そこ、やめて……舐めないで。くすぐったいの」

「ふうん……分かりました」

「あ……っちょ、いやだったら……!」

耳の奥にまで舌を挿れられ、もがく。唾液が跳ねる音がダイレクトに響いてくる。

「っや……う、んぁっ!」

膨らみの先端を両指で根元から摘ままれ、彩奈は肩を揺らして身をよじった。粘土をこねるように扱かれている。

「は……ぅ、んんっ……そこ……っぁ、う」

彼の愛撫は彩奈の性感を大いに刺激していた。上手いのだ。もっと、とねだってしまいそうになる。

「ココがどうしました?どうされたいんです」

耳の中から舌を引き抜き、修吾は妖しげに目を細めたまま顔を寄せてきた。

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