その日の午前中はなかなか調子が出なくて、午後になりようやくいつものペースを取り戻してきたところだった。そんなとき、
「柚子川さん、一緒に外回り行こっか」
調子を狂わされた張本人に声をかけられ、断りたい気持ちは山々だったけれど、ここで抵抗したら今度はなにをされるかわからないから、仁美はいかにもこころよくと言ったふうに「喜んで」と答えた。
仁美と中村は社用車に乗って会社を出た。行き先は車で15分ほどの場所にあるお得意様のクマノ工務店だ。
「柚子川さん、お昼はいつもどうしてるの」
「食堂で経理部のひとたちと一緒に食べてる。外回りの時は違うけど」
「そっか。経理部の高松さんだっけ、ずいぶんと仲がいいみたいだね」
「新人のころは色々と相談に乗ってもらってたから」
「彼女は知ってるの? 課長とのこと」
「……言ってないから、知らないと思う」
「なんで言わないの? 仲よしなんでしょ」
もしそれを知られてしまったら、きっと軽蔑される。だから、言えるわけがない。
「わかり切ったこと、聞かないで」
「冷たいなあ。そんなに突き放さないでよ。これでも俺、きみのこと心配してるんだよ」
「余計なお世話よ。そういうのウザイ」
ふうっ、とため息が聞こえた。カチッカチッと方向指示器の音が数回だけ鳴って、中村は急にハンドルを切った。
「どこに行くの? そっちはクマノ工務店とは逆方向じゃない」
ビルのあいだに挟まれた一方通行の細い路地は薄暗く、人影がない。車はキュッと路肩に停まって、ハザードランプの無機質な音だけがしていた。
「柚子川さんがそんなに口の悪いひとだとは思わなかったよ。お仕置きが必要だ」
バックルのリリースボタンを押された。シートベルトがゆるむと、彼の腕が仁美の肩をつかんだ。中村の顔が眼前に迫って、もともと薄暗くて不明瞭だった視界は完全に真っ暗になる。
「んっ……!」
あまりに荒っぽいキスで息苦しくなる。けれど彼は下手なわけではない。力まかせだが、絡みつく舌は意に反して身体を痺れさせる。
「……っふ」
唇を解放されて安心したのも束の間、スカートのなかに手を入れられて仁美は全身の毛が逆立つ思いだった。
「や、だ……っ、止めてったら!」
太ももを撫でる手は冷たく、鳥肌が立つ。彼の手を押さえると、
「言うこと聞かなきゃだめだよ。きみは俺の部下なんだから」
「だったらセクハラで訴えるわよ」
「どうぞ、ご自由に」
彼がそう言うのと、股間に手が這ったのはほぼ同時だった。ショーツのうえから割れ目に指を埋め込まれる。
「セクハラされてるんなら感じたりしないよね。なのにどうしてココは湿ってるんだろ」
「や、だ……っ! ぅ、くふっ」
下着の生地を蜜口に擦りつけながら、中村はもう片方の手で上部の花芽をグリグリと押した。
「も、止めて……っ。ん、お願い、だから」
「しかたないな。それじゃ、俺のココを舐めてイかせてくれる?」
「なっ……!?」
中村は仁美の陰部をショーツ越しに指でいじりながら片手で自身のベルトを外している。あらわになった肉棒はすでに猛っていた。
「アンタって、ホント最低……っ、くぅ!」
「するの、しないの? ああ、もしかしていじり合いたいのかな」
仁美は拳を強く握って中村をにらんだ。いじり合うなんて、冗談じゃない。
体勢を低くして彼の一物に顔を近づける。そばで見るとますます大きく感じた。
(大輔さんのも、そんなに舐めたことないのに……。ううん、もうなにか考えるのは止めよう)
自分を押し殺して仁美は肉棒の先端をペロリとひと舐めした。
「あと15分で得意先との約束の時間だから、早くしてね。さあ、もっと深くくわえて」
中村の大きな手が頭を押さえつけてきた。いやがおうでも喉もとまで陰茎が届く。早く終わらせたいのはこちらも同じだ。仁美は両手を使って雄棒をしごき、くわえ込んだまま舌で先端や裏側を刺激しながら吸い上げた。
「……っ、ん」
ビュッ、ビュッと竿が脈を打って口内に精液が充満する。仁美はそれを外に出したかったのに、顔を上げた瞬間に口もとを手で塞がれてしまい、飲み込む以外に選択肢がなかった。喉を通る独特の味に耐えきれずケホッと咳をする。
「ありがと。気持ちよかった。じゃ、行こうか」
中村はスラックスのファスナーを上げながらエンジンをかけ、何事もなかったかのように車を走らせた。
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「柚子川さん、一緒に外回り行こっか」
調子を狂わされた張本人に声をかけられ、断りたい気持ちは山々だったけれど、ここで抵抗したら今度はなにをされるかわからないから、仁美はいかにもこころよくと言ったふうに「喜んで」と答えた。
仁美と中村は社用車に乗って会社を出た。行き先は車で15分ほどの場所にあるお得意様のクマノ工務店だ。
「柚子川さん、お昼はいつもどうしてるの」
「食堂で経理部のひとたちと一緒に食べてる。外回りの時は違うけど」
「そっか。経理部の高松さんだっけ、ずいぶんと仲がいいみたいだね」
「新人のころは色々と相談に乗ってもらってたから」
「彼女は知ってるの? 課長とのこと」
「……言ってないから、知らないと思う」
「なんで言わないの? 仲よしなんでしょ」
もしそれを知られてしまったら、きっと軽蔑される。だから、言えるわけがない。
「わかり切ったこと、聞かないで」
「冷たいなあ。そんなに突き放さないでよ。これでも俺、きみのこと心配してるんだよ」
「余計なお世話よ。そういうのウザイ」
ふうっ、とため息が聞こえた。カチッカチッと方向指示器の音が数回だけ鳴って、中村は急にハンドルを切った。
「どこに行くの? そっちはクマノ工務店とは逆方向じゃない」
ビルのあいだに挟まれた一方通行の細い路地は薄暗く、人影がない。車はキュッと路肩に停まって、ハザードランプの無機質な音だけがしていた。
「柚子川さんがそんなに口の悪いひとだとは思わなかったよ。お仕置きが必要だ」
バックルのリリースボタンを押された。シートベルトがゆるむと、彼の腕が仁美の肩をつかんだ。中村の顔が眼前に迫って、もともと薄暗くて不明瞭だった視界は完全に真っ暗になる。
「んっ……!」
あまりに荒っぽいキスで息苦しくなる。けれど彼は下手なわけではない。力まかせだが、絡みつく舌は意に反して身体を痺れさせる。
「……っふ」
唇を解放されて安心したのも束の間、スカートのなかに手を入れられて仁美は全身の毛が逆立つ思いだった。
「や、だ……っ、止めてったら!」
太ももを撫でる手は冷たく、鳥肌が立つ。彼の手を押さえると、
「言うこと聞かなきゃだめだよ。きみは俺の部下なんだから」
「だったらセクハラで訴えるわよ」
「どうぞ、ご自由に」
彼がそう言うのと、股間に手が這ったのはほぼ同時だった。ショーツのうえから割れ目に指を埋め込まれる。
「セクハラされてるんなら感じたりしないよね。なのにどうしてココは湿ってるんだろ」
「や、だ……っ! ぅ、くふっ」
下着の生地を蜜口に擦りつけながら、中村はもう片方の手で上部の花芽をグリグリと押した。
「も、止めて……っ。ん、お願い、だから」
「しかたないな。それじゃ、俺のココを舐めてイかせてくれる?」
「なっ……!?」
中村は仁美の陰部をショーツ越しに指でいじりながら片手で自身のベルトを外している。あらわになった肉棒はすでに猛っていた。
「アンタって、ホント最低……っ、くぅ!」
「するの、しないの? ああ、もしかしていじり合いたいのかな」
仁美は拳を強く握って中村をにらんだ。いじり合うなんて、冗談じゃない。
体勢を低くして彼の一物に顔を近づける。そばで見るとますます大きく感じた。
(大輔さんのも、そんなに舐めたことないのに……。ううん、もうなにか考えるのは止めよう)
自分を押し殺して仁美は肉棒の先端をペロリとひと舐めした。
「あと15分で得意先との約束の時間だから、早くしてね。さあ、もっと深くくわえて」
中村の大きな手が頭を押さえつけてきた。いやがおうでも喉もとまで陰茎が届く。早く終わらせたいのはこちらも同じだ。仁美は両手を使って雄棒をしごき、くわえ込んだまま舌で先端や裏側を刺激しながら吸い上げた。
「……っ、ん」
ビュッ、ビュッと竿が脈を打って口内に精液が充満する。仁美はそれを外に出したかったのに、顔を上げた瞬間に口もとを手で塞がれてしまい、飲み込む以外に選択肢がなかった。喉を通る独特の味に耐えきれずケホッと咳をする。
「ありがと。気持ちよかった。じゃ、行こうか」
中村はスラックスのファスナーを上げながらエンジンをかけ、何事もなかったかのように車を走らせた。