ロストヴァージンまでの十日間 《 第二十二話 ロストヴァージン(1)

ゆるめられていく紺色のネクタイを見つめていた。床に脱ぎ捨てられたジャケットが気になる。

「上着、掛けておかないとシワに……っひゃ!」

彼の上着を手に取るべく布団を出ようとしていたら、その手をつかまれてベッドに引き戻された。
はだけたワイシャツの胸もとからのぞく彼の素肌は艶かしくて、つい釘付けになってしまう。ゆっくりと視線を上に向けると、互いの顔の距離が近くなっているのに気がついた。

「あ……キスは、ダメです。風邪、うつしちゃうかもしれないから」

「俺は千夏と違ってヤワじゃないから安心しろ。それにゼリーの味が気になってたんだ。確かめさせろ」

「それなら、まだ余って……っふ……んん」

本当に甘味が気になっていたのか、初見は丁寧に歯列をなぞって千夏の口内を蹂躙した。

「……うまい。最高だ」

「ん、んぅ……っ」

絡めて、吸い上げて、遊ぶように突つきながら貪られる。ほのかに残っていた蜜柑ゼリーの甘さは彼にすべて盗られてしまったようで、いまは初見のことしか考えられない。
キスに夢中になっているあいだに千夏のパジャマはどんどん乱されていた。ブラジャーは付けていなかったから、すぐに乳房をとらえられてしまう。

「ぁ……っん、ふ、ぁぁ……」

「やっぱり、いつもより身体が熱いな……。平気か?」

「う……ん……っだい、じょうぶ……っぁ、ふ」

初見は千夏の体温を探るようにその大きな手のひらで流れるように首や肩、腰を撫でながら衣服を取り去っていった。ショーツだけを残されて、秘めた裂け目のうえを生地越しに指が往復する。

「……染みになってる。いつからこんなに濡らしてたんだ」

「あ……っぅ、ふぁッ!」

横たわった状態で片足を上げさせられていた。染みになっていると指摘された箇所は彼から丸見えで、羞恥心はますます愛液をあふれさせる。

「さわってもいないのにココをこんなに勃たせて、千夏は淫乱な女だ」

卑下するような言葉すら悦びだった。彼が、嬉しそうに言うから。
初見は横たわっている千夏の脚のあいだに腕を差し入れて、ツンと尖っている乳頭のひとつを指と舌で突ついた。

「ア……ッ、っく、ふ……あ、あんっ!」

彼の指は少し冷たく感じる。でもそれがいっそう刺激的で、親指と人差し指で乳輪ごとはさまれてひねられるだけでも四肢が痺れてくるのに、ふくらみの先端を舌で素早くなぶられて千夏はたまらず大きく喘いだ。

「はふ、う……っや、やぁ……っ」

蜜を噴き出す下半身の秘裂は湿ったショーツ越しにえぐられている。そんなことをされたら余計に下着を汚してしまうのに、初見はそのまま割れ目のなかに指を埋めてしまいそうな勢いで小刻みに陰部を押し撫でた。

「ああっ、あ……――ッ!」

乳首を根もとから吸い上げられたのと同時に蜜壺のなかがヒクヒクと痙攣した。余韻は長く、彼の指が下着の上から陰核をかすめただけでさらにヒクンと反応してしまう。

「ナカがどうなってるか楽しみだ」

「っぁ……」

湿り切ったショーツは いとも簡単にスルリと足から抜けていく。仰向けになって大きく脚をひらく。自分からそういう体勢になったわけではない。初見は千夏の脚を固定して女陰を凝視した。検分でもされているかのようだった。

「とろけて柔らかくなってる。このままでも俺のをくわえ込めそうだな」

「アアッ……ん、っふ、はぅぅっ」

ぬちゅ、ぐちゅっという水音と共に蜜壺のなかへ入った指はすぐに躍動して内部をかきまわした。すぐに指の数が増えて、肉襞をこするそれの存在感があらわになる。

「簡単に二本入った。いやらしいな、千夏のココは」

「や……そんな、言わな……っぁ、あん!」

ザラリとした舌がいまにも弾けそうな突起を舐め上げた。膣口からすくった蜜を舌で撫でつけられ、小さな豆粒はあっという間に高まっていく。

「っぁ、ああ、ふぅぅ……っ!」

「ん……ナカが締まったな。またイッたのか、千夏」

「っはふ……っや、ぅ……ひ、あああっ!」

達したとわかっても、初見はなかに埋めた指を抜かなかった。それどころかさらに強く出し入れされ、心身ともに快感一色になっていった。

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