シワが寄った眉間にキスを落として、目もとにも同じように口づける。エリスは目を細めてくすぐったそうにしている。可愛い。
彼女の唇には寄らず首すじに舌を這わせ、柔らかな肌を舐め下ろしていく。
「ふ……」
エリスの、声にならない吐息が耳をかすめるとよけいに性欲が増す。このままいっきに押し倒していいようにしたいのを何とか抑えて、そっと彼女の体をベッドへ撫で付けて仰向けにした。
エリスはうっとりとした様子でこちらを見ている。戸惑っているようにも見える。
(俺はいままでどれだけ強引だったんだ……?)
彼女を逆に戸惑わせてしまうほどひどかったのか。無自覚だった。
ジェラルドは壊れ物に触れるようにエリスの頬を撫で、胸のなだらかなふくらみを手のひらで包んだ。まろやかな乳房が己の手で形を変えるさまは扇情的で、なりふりかまわずその先端に食らいつきたくなる。
(彼女はまだ全快していないんだ)
そう自分に言い聞かせ、ゆっくりと薄桃色の先端を目指す。根もとに舌を這わせると、エリスはビクリと過剰に体を跳ねさせた。その反応にはかえって驚いてしまう。
「……嫌、か?」
エリスの顔を上目遣いで伺いながら尋ねる。彼女の頬がいっそう朱をまとう。
「わ、わざとですか? いつもはそんなこと聞かないくせに……っ」
そう言うなりエリスは顔を両手で覆って隠してしまった。やけに恥ずかしそうだ。
(嫌では、ないんだよな……?)
エリスも自分のことを好いているのだと知って以来、彼女の反応が気になって仕方がないのだ。それまでは、どうせ嫌われているのだから、それならば憎しみでもいいからエリスに自分という存在を意識させたかった。
しかしいまは違う。嫌われたくない。ずっと好きでいてもらいたいから、何事にも慎重になる。
ジェラルドはエリスのふたつの乳嘴を指でコリコリと軽く押した。それだけでエリスは身もだえする。
(いやらしい体だ)
好意的な意味なのだが、言葉に出しては彼女を怒らせてしまいそうなので心の中だけで独りごちる。口は災いのものだ。
「何で……なにも、言わないんですか?」
両手で顔を覆ったままエリスが訊いてきた。失言のないように極力無口を通していたのだが、エリスはそれを妙だと感じたらしい。
「なにかよからぬことでも企んでるんですか?」
「なにも……企んでなどいない。きみはひどいことをされたり言われたりするほうがいいのか? やはりマゾヒズムの気が……」
指先に力を込めてキュッと乳頭をつまむ。
「ふぁっ!」
好ましい反応をするエリスにジェラルドはますます刺激される。しかし彼女はいま月のものがきているし、ベッドに臥せっていたわけだから体力も衰えているだろう。
ジェラルドは猛りを増す自身の下半身を無視することにした。それでも接触欲求だけは満たしたくて、硬く立ち上がった彼女のつぼみを舌でなぶる。もう片方のそれも指で激しくこねくりまわした。
「ぁあっ、ふ、んぁ……っ!!」
ジュッと音を立てて乳頭を吸い上げたときだった。エリスはくたりと脱力している。
「……まさか、乳首だけで達してしまったのか?」
「――っ」
エリスはバツが悪そうにそっぽを向いてしまった。
ジェラルドはほほえみ、エリスのかたわらに寝転んだ。彼女の頬をつかんでこちらを向かせ、軽く口づける。それから、みずみずしい唇をチロチロと舐めたどった。このままずっと、彼女を愛でていたい。護っていきたい。
――しかし、此度エリスに起こった一連の出来事は、悪夢の前兆に過ぎなかったのである。
前 へ
目 次
次 へ
彼女の唇には寄らず首すじに舌を這わせ、柔らかな肌を舐め下ろしていく。
「ふ……」
エリスの、声にならない吐息が耳をかすめるとよけいに性欲が増す。このままいっきに押し倒していいようにしたいのを何とか抑えて、そっと彼女の体をベッドへ撫で付けて仰向けにした。
エリスはうっとりとした様子でこちらを見ている。戸惑っているようにも見える。
(俺はいままでどれだけ強引だったんだ……?)
彼女を逆に戸惑わせてしまうほどひどかったのか。無自覚だった。
ジェラルドは壊れ物に触れるようにエリスの頬を撫で、胸のなだらかなふくらみを手のひらで包んだ。まろやかな乳房が己の手で形を変えるさまは扇情的で、なりふりかまわずその先端に食らいつきたくなる。
(彼女はまだ全快していないんだ)
そう自分に言い聞かせ、ゆっくりと薄桃色の先端を目指す。根もとに舌を這わせると、エリスはビクリと過剰に体を跳ねさせた。その反応にはかえって驚いてしまう。
「……嫌、か?」
エリスの顔を上目遣いで伺いながら尋ねる。彼女の頬がいっそう朱をまとう。
「わ、わざとですか? いつもはそんなこと聞かないくせに……っ」
そう言うなりエリスは顔を両手で覆って隠してしまった。やけに恥ずかしそうだ。
(嫌では、ないんだよな……?)
エリスも自分のことを好いているのだと知って以来、彼女の反応が気になって仕方がないのだ。それまでは、どうせ嫌われているのだから、それならば憎しみでもいいからエリスに自分という存在を意識させたかった。
しかしいまは違う。嫌われたくない。ずっと好きでいてもらいたいから、何事にも慎重になる。
ジェラルドはエリスのふたつの乳嘴を指でコリコリと軽く押した。それだけでエリスは身もだえする。
(いやらしい体だ)
好意的な意味なのだが、言葉に出しては彼女を怒らせてしまいそうなので心の中だけで独りごちる。口は災いのものだ。
「何で……なにも、言わないんですか?」
両手で顔を覆ったままエリスが訊いてきた。失言のないように極力無口を通していたのだが、エリスはそれを妙だと感じたらしい。
「なにかよからぬことでも企んでるんですか?」
「なにも……企んでなどいない。きみはひどいことをされたり言われたりするほうがいいのか? やはりマゾヒズムの気が……」
指先に力を込めてキュッと乳頭をつまむ。
「ふぁっ!」
好ましい反応をするエリスにジェラルドはますます刺激される。しかし彼女はいま月のものがきているし、ベッドに臥せっていたわけだから体力も衰えているだろう。
ジェラルドは猛りを増す自身の下半身を無視することにした。それでも接触欲求だけは満たしたくて、硬く立ち上がった彼女のつぼみを舌でなぶる。もう片方のそれも指で激しくこねくりまわした。
「ぁあっ、ふ、んぁ……っ!!」
ジュッと音を立てて乳頭を吸い上げたときだった。エリスはくたりと脱力している。
「……まさか、乳首だけで達してしまったのか?」
「――っ」
エリスはバツが悪そうにそっぽを向いてしまった。
ジェラルドはほほえみ、エリスのかたわらに寝転んだ。彼女の頬をつかんでこちらを向かせ、軽く口づける。それから、みずみずしい唇をチロチロと舐めたどった。このままずっと、彼女を愛でていたい。護っていきたい。
――しかし、此度エリスに起こった一連の出来事は、悪夢の前兆に過ぎなかったのである。