母親が部屋を出て行ったあとはしばらく気まずかった。けれどそう思っているのは杏樹だけかもしれない。晴翔はふたたびソファに腰かけて、ニヤニヤしながら先ほどのアルバムを見ている。
「はーるーくん。早くベッドに行って」
「うん、もう少しだけ」
「まったく……。聞きわけのない子どもみたい」
杏樹が大仰にため息をつくと、晴翔は目を細めて笑い「ママー、膝枕して」などとつぶやいた。冗談かと思ったらそうではないらしい。
「ベッドに行くから膝枕して。お願い」
熱い手でうながされ、杏樹はベッドへ向かってモタモタと歩く。
(膝枕なんて……。へんなこと、されないよね……?)
期待とも危惧とも取れぬ感情が杏樹の足取りを重くしていた。ベッド端に座ると、晴翔はすぐに頭を預けてきた。
「はー……落ち着く。よく眠れそう」
「晴くん、ちゃんと布団を着なくちゃ」
「うん……。杏樹はいい母親になりそうだね。料理も上手いし、優しいし、いつもきちんとしてるし。俺なんかにはもったいないのかも」
最後のほうの自虐的な発言が少し気にかかる。
(晴くん……もしかして、不安なのかな)
杏樹は彼の頭をゆっくりと撫でながら言う。
「えっと、その……。私……晴くんのお嫁さんになりたいです。晴くんのこと……大好き、だから」
言ってしまって、少し後悔した。晴翔は杏樹を見上げて目を丸くしている。しばらくそうして凝視され、顔を隠そうとうつむいたら余計に視線が絡んでしまった。
「……杏樹」
「ひゃ……っ!」
ベッドが音を立てて沈む。肩をつかまれて、勢いよく仰向けに寝転がる。晴翔は熱い唇を杏樹の首すじに押し当てた。
「あ……晴くん……っ、ん」
衣服は性急に脱がされていく。スカートはホックが外れてずり下がり、カットソーは胸のうえまでまくり上がって下着があらわになっている。
「杏樹って、たまにデレるから……。もう、俺……どうしていいかわからなくなる。きみが愛おしすぎてへんになりそうだ」
背中のホックがプチンと弾かれる。ゆるくなったブラジャーは脱がされることなくそのままで、晴翔はその下に隠れているふくらみをぎゅうっと両手でつかんだ。
「んぅっ……ぁ、ン……ッ!」
どこもかしこも熱かった。塞がれた唇はもちろん、握られている乳房も下半身の蜜奥も、彼の熱を奪い取っているようだった。
「晴く……ん、ダメ、だってば……寝てなくちゃ」
彼は本調子ではない。そんな状態でこんなことをしていたら、よけいに悪化してしまうかもしれないと思ってそう言ったのに、
「じゃあ杏樹がうえになって。きみが俺のを自分で挿れて?」
晴翔は杏樹のとなりに仰向けになって、窮屈そうなジーンズの前をひらいて雄棒をさらした。
硬く勃起したそれは隆々としていて、そんなものを見せつけられたら杏樹の秘部も潤いを増す。
「少しだけ、だからね……?」
興奮してしまったものを鎮めなければ。その一心で杏樹は起き上がって彼のうえにまたがる。自分自身も興奮しているという事実は棚上げだ。
「服は全部、脱いで。自分で、ね」
そう指示して、晴翔は自身のVネックシャツに手をかけた。ほどよく鍛え上げられた胸筋が目に入る。杏樹は無言で、脱ぎかけだったスカートを脚から抜いてベッド端に置き、下着もカットソーも全て脱いだ。そのあいだずっと射るように見つめられていた。
「そんなに見ないで」と言いながら杏樹は肉棒の根もとを握り込み、腰を浮かせて切っ先を蜜口にあてがう。
「ふ……ぁ、ぅ」
まだ充分に濡れている状態ではなかった。チリチリと少しだけ痛んだけれど、すべて収めてしまえば気にならなくなった。
「はーるーくん。早くベッドに行って」
「うん、もう少しだけ」
「まったく……。聞きわけのない子どもみたい」
杏樹が大仰にため息をつくと、晴翔は目を細めて笑い「ママー、膝枕して」などとつぶやいた。冗談かと思ったらそうではないらしい。
「ベッドに行くから膝枕して。お願い」
熱い手でうながされ、杏樹はベッドへ向かってモタモタと歩く。
(膝枕なんて……。へんなこと、されないよね……?)
期待とも危惧とも取れぬ感情が杏樹の足取りを重くしていた。ベッド端に座ると、晴翔はすぐに頭を預けてきた。
「はー……落ち着く。よく眠れそう」
「晴くん、ちゃんと布団を着なくちゃ」
「うん……。杏樹はいい母親になりそうだね。料理も上手いし、優しいし、いつもきちんとしてるし。俺なんかにはもったいないのかも」
最後のほうの自虐的な発言が少し気にかかる。
(晴くん……もしかして、不安なのかな)
杏樹は彼の頭をゆっくりと撫でながら言う。
「えっと、その……。私……晴くんのお嫁さんになりたいです。晴くんのこと……大好き、だから」
言ってしまって、少し後悔した。晴翔は杏樹を見上げて目を丸くしている。しばらくそうして凝視され、顔を隠そうとうつむいたら余計に視線が絡んでしまった。
「……杏樹」
「ひゃ……っ!」
ベッドが音を立てて沈む。肩をつかまれて、勢いよく仰向けに寝転がる。晴翔は熱い唇を杏樹の首すじに押し当てた。
「あ……晴くん……っ、ん」
衣服は性急に脱がされていく。スカートはホックが外れてずり下がり、カットソーは胸のうえまでまくり上がって下着があらわになっている。
「杏樹って、たまにデレるから……。もう、俺……どうしていいかわからなくなる。きみが愛おしすぎてへんになりそうだ」
背中のホックがプチンと弾かれる。ゆるくなったブラジャーは脱がされることなくそのままで、晴翔はその下に隠れているふくらみをぎゅうっと両手でつかんだ。
「んぅっ……ぁ、ン……ッ!」
どこもかしこも熱かった。塞がれた唇はもちろん、握られている乳房も下半身の蜜奥も、彼の熱を奪い取っているようだった。
「晴く……ん、ダメ、だってば……寝てなくちゃ」
彼は本調子ではない。そんな状態でこんなことをしていたら、よけいに悪化してしまうかもしれないと思ってそう言ったのに、
「じゃあ杏樹がうえになって。きみが俺のを自分で挿れて?」
晴翔は杏樹のとなりに仰向けになって、窮屈そうなジーンズの前をひらいて雄棒をさらした。
硬く勃起したそれは隆々としていて、そんなものを見せつけられたら杏樹の秘部も潤いを増す。
「少しだけ、だからね……?」
興奮してしまったものを鎮めなければ。その一心で杏樹は起き上がって彼のうえにまたがる。自分自身も興奮しているという事実は棚上げだ。
「服は全部、脱いで。自分で、ね」
そう指示して、晴翔は自身のVネックシャツに手をかけた。ほどよく鍛え上げられた胸筋が目に入る。杏樹は無言で、脱ぎかけだったスカートを脚から抜いてベッド端に置き、下着もカットソーも全て脱いだ。そのあいだずっと射るように見つめられていた。
「そんなに見ないで」と言いながら杏樹は肉棒の根もとを握り込み、腰を浮かせて切っ先を蜜口にあてがう。
「ふ……ぁ、ぅ」
まだ充分に濡れている状態ではなかった。チリチリと少しだけ痛んだけれど、すべて収めてしまえば気にならなくなった。