「あ……ふ……っ」
膣内に含んだ雄棒は硬く、けれど彼はまったく動かない。杏樹は騎乗位の経験があまりないので、つたない腰づかいで上下する。
「……晴くん、気持ち……っん、いい?」
彼がなにも言わないから不安になる。あまりにもヘタで呆れられているのかもしれないと思った。
「ん……いいよ。そのまま続けて。顔はこっちに近づけて」
言われるままに腕を伸ばして、彼をはさみ込む格好で両手をベッドにつく。晴翔の手は杏樹の腰もとを撫でて這い上がっていく。
「ゃ……くすぐったい……っぁ、ん」
脇腹を通ってふくらみに伸びた手が、硬くしこったいただきをつまむ。両の乳首は指のあいだにはさまれて右往左往している。
「やん……っ、あ、ぅ……ンン」
自慰をしているような気分だった。ゆったりとしていて心地いいのだ。自ら腰を上下させているから、快感は杏樹の制御下にある。
「杏樹……さっきの、もういっかい言って」
「ぁ……ん……っ、さっき、の……って?」
どれのことを言っているのかわからなくて、杏樹は首をかしげる。
「……俺のこと、好き?」
そう尋ねた晴翔の顔はどこか寂しげに見えて、杏樹はあわてて言葉を足した。
「好き、好きだよ……晴くん、大好き」
腕を折り曲げ、顔を寄せる。そういえば自分からキスをしたことはなかった。舌まで絡めるのは恥ずかしかったから、唇を合わせるだけの口づけにしようと思っていたのに、
「ん……っ!」
離れかけていた頭を押し戻され、熱砂のような舌が杏樹を捕らえる。頭は片手で固定され、もう片方の手は乳房を揉みしだく。
「っん、んん……ッ!」
急に突き上げられて、一気に快楽が極まっていく。愛しさがいっぱいになって、込み上げて――達するまで時間はかからなかった。
「は、ふ……」
彼の胸にグタリと倒れ込む。身のうちに満ちた精液はまだ外にはあふれない。彼の陰茎が蓋をしているからだ。晴翔はいつも達したあとの余韻をたのしむ。そうしているあいだにまた欲望の肉塊がふくらんでくるのだ。
いまだって、彼の雄棒はふたたび奮い立っている。
「あ……っゃ、もう……だめぇ……ぁ、あ……ッ!」
彼が上半身を起こす。杏樹は下肢をつなげたまま晴翔のひざのうえに座っている。
「だめ? なにがだめなの」
「そんな……ぁん、激しくしたら……っんぅ、また……イっちゃ……ぁ、ふぁ」
「たくさんイってよ……杏樹が気持ち良さそうにしてる顔、すごく好き」
「んぁぁっ……! あ、ゃぁ……っあ、アン……ッ!」
腰をつかまれてリズミカルに前後させられ、まろびた蜜壺がさらにとろけていく。晴翔は揺れる乳房のいただきを口に含み、舌で激しく転がした。
「もう……っぁ、きちゃう……っだ、め……ん、ふぅっ!」
ふたりの熱が溶け合って、ひとつになって、発散していく。
身体のなかで彼のものが脈打つ感覚はほかに得がたい幸福感をともなっていた。
***
すやすやと穏やかに眠る横顔を見つめながら、杏樹もまどろんでいた。情事のあと、晴翔はすぐに眠ってしまった。彼の顔色はいくぶんかよくなっているように見える。
「ゆっくりやすんでね」
日々忙しく働く彼には休息が必要だ。杏樹は赤みが引いた頬にそっと口付けた。
膣内に含んだ雄棒は硬く、けれど彼はまったく動かない。杏樹は騎乗位の経験があまりないので、つたない腰づかいで上下する。
「……晴くん、気持ち……っん、いい?」
彼がなにも言わないから不安になる。あまりにもヘタで呆れられているのかもしれないと思った。
「ん……いいよ。そのまま続けて。顔はこっちに近づけて」
言われるままに腕を伸ばして、彼をはさみ込む格好で両手をベッドにつく。晴翔の手は杏樹の腰もとを撫でて這い上がっていく。
「ゃ……くすぐったい……っぁ、ん」
脇腹を通ってふくらみに伸びた手が、硬くしこったいただきをつまむ。両の乳首は指のあいだにはさまれて右往左往している。
「やん……っ、あ、ぅ……ンン」
自慰をしているような気分だった。ゆったりとしていて心地いいのだ。自ら腰を上下させているから、快感は杏樹の制御下にある。
「杏樹……さっきの、もういっかい言って」
「ぁ……ん……っ、さっき、の……って?」
どれのことを言っているのかわからなくて、杏樹は首をかしげる。
「……俺のこと、好き?」
そう尋ねた晴翔の顔はどこか寂しげに見えて、杏樹はあわてて言葉を足した。
「好き、好きだよ……晴くん、大好き」
腕を折り曲げ、顔を寄せる。そういえば自分からキスをしたことはなかった。舌まで絡めるのは恥ずかしかったから、唇を合わせるだけの口づけにしようと思っていたのに、
「ん……っ!」
離れかけていた頭を押し戻され、熱砂のような舌が杏樹を捕らえる。頭は片手で固定され、もう片方の手は乳房を揉みしだく。
「っん、んん……ッ!」
急に突き上げられて、一気に快楽が極まっていく。愛しさがいっぱいになって、込み上げて――達するまで時間はかからなかった。
「は、ふ……」
彼の胸にグタリと倒れ込む。身のうちに満ちた精液はまだ外にはあふれない。彼の陰茎が蓋をしているからだ。晴翔はいつも達したあとの余韻をたのしむ。そうしているあいだにまた欲望の肉塊がふくらんでくるのだ。
いまだって、彼の雄棒はふたたび奮い立っている。
「あ……っゃ、もう……だめぇ……ぁ、あ……ッ!」
彼が上半身を起こす。杏樹は下肢をつなげたまま晴翔のひざのうえに座っている。
「だめ? なにがだめなの」
「そんな……ぁん、激しくしたら……っんぅ、また……イっちゃ……ぁ、ふぁ」
「たくさんイってよ……杏樹が気持ち良さそうにしてる顔、すごく好き」
「んぁぁっ……! あ、ゃぁ……っあ、アン……ッ!」
腰をつかまれてリズミカルに前後させられ、まろびた蜜壺がさらにとろけていく。晴翔は揺れる乳房のいただきを口に含み、舌で激しく転がした。
「もう……っぁ、きちゃう……っだ、め……ん、ふぅっ!」
ふたりの熱が溶け合って、ひとつになって、発散していく。
身体のなかで彼のものが脈打つ感覚はほかに得がたい幸福感をともなっていた。
***
すやすやと穏やかに眠る横顔を見つめながら、杏樹もまどろんでいた。情事のあと、晴翔はすぐに眠ってしまった。彼の顔色はいくぶんかよくなっているように見える。
「ゆっくりやすんでね」
日々忙しく働く彼には休息が必要だ。杏樹は赤みが引いた頬にそっと口付けた。