診察台でとろける身体 《 番外編 婚前旅行(2)

「……わぁっ!? やだ、晴くんたら、いつの間に」

「びっくりしたのはこっちだよ。杏ちゃん、全然気づかないから」

いつの間にか背後にいた晴翔が湯に浸かる。湯面は豪快に揺れて波を立てている。飛び込んだわけでもないのにそうなるのは、彼の身長が高いからだ。

杏樹は無意識的に胸もとを手で押さえた。お湯は乳白色で濁っているから裸は見られていない。そもそも何度も見られているのだからいまさらなのだが、それでも隠してしまうのは杏樹自身が不埒な考えを抱いているからかもしれない。

「……お風呂、入らないんじゃなかったの」

「うん? 杏ちゃんが遅いから、ようす見がてら入ろうかなって。俺がきたの……嫌だった?」

「別に……。晴くん、怒ってたんじゃないの?」

晴翔は いかにも心外そうに目を丸くする。

「まさか! ……ちょっと拗ねてただけだよ」

「拗ねるって……何で?」

「杏ちゃんには俺の行動がよくわかるみたいだから、ちょっと悔しくて」

「そんなの、お互い様じゃない」

「……それは、杏樹は俺がいまなにをしたいかわかってるってことだよね」

乳白色の湯面が揺れる。正面にまわり込んできた晴翔がこちらを真っ直ぐに見つめている。

「えっと……私も……。その……したい、よ」

「なにを? 杏樹はどんなことをされるのがご要望かな」

「もう、わかってるくせに……ぁ、ん」

湯に埋れていたピンク色のつぼみを指で突つかれる。彼がとなりにきたときから濡れ始めていた蜜壺が潤いを増していく。

「この可愛らしく勃った乳首はどういうふうにして欲しい? つまもうか、それともひねろうか」

「あん……ン、ぅ」

乳房を持ち上げられ、先端が湯面から顔を出す。指のあいだにはさまれた尖った棘はいじられるのを待ち焦がれている。

「はぅ……う、どっちも……して」

嬉しそうに口角を上げて「貪欲だね」とつぶやき、晴翔は親指と人差し指で乳頭をつまみ上げた。両方の乳首を上方に引っ張られる。

「ぁ……そんな、引っ張っちゃ……いや」

「ごめんね。でも硬く尖ったココはつまみやすくて、つい」

「んん……っ!」

晴翔はさらに強く乳首をつねる。指の腹で円を描くように転がされ、杏樹は湯と快感で火照る身体をもて余してよがった。

「下はどうしようか。俺のほうはもう準備できてるけど、杏樹はどう?」

乳首をいじりながら杏樹の耳たぶを舐め上げ、晴翔は硬い一物を脚に押し付けてくる。

「っぁ……ん……いいよ、挿れて……」

杏樹のほうも彼を受け入れる準備は万全だった。もしかしたら食事をしているときから焦れったくなっていたのかもしれない。乳白色の湯に隠れているのをいいことに、杏樹は恥ずかしげもなく大きく脚をひらいた。

「いつになく大胆だね……? そんなに積極的だと、俺のがもたなくなるから困るな」

困ったようすなんて感じられない。どちらかというと嬉しそうにほほえんで、晴翔は杏樹の腰に手をまわした。お湯の浮力もあいまって身体が持ち上がる。

「は……ぅ、ん……っ!」

彼のひざうえに乗っかるような格好で、杏樹はいきり立った怒張に突き上げられた。

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