王子様の召喚方法 《 6  歌でも歌ってあげようか

「んっ、ぅ、ぅ」

ウィルは美菜の腕をつかむのをやめて両手を胸もとに添えた。
やわらかな丘陵のいただきをつまんでいる。

「感じやすいみたいだね? その顔、すごくいいよ。そそられる」

「や、ぁ……っ!」

乳首の根もとをつままれてよがる。美菜はまぶたを細めて王子様を見つめた。
みずから召喚してしまった王子様に迫られているこの状況は少なからず期待していたことだけれど、いざそうなると怖くてたまらない。
ウィルが先ほど「いい」と評した美菜の顔は恐怖に震える、いまにも泣き出しそうな表情のことだ。

「……そんなに怖い? 初めて、だから?」

抑揚のない声音で尋ねられ「うん」とだけ答える。
いままで付き合った男性とはこういうことをしなかった。浅い付き合いばかりだったし、なにより自分の小さな胸がコンプレックスで、こういうことには消極的だった。

「歌でも歌ってあげようか。心が落ち着くように」

「う、歌……っ!?」

唐突な提案に拍子抜けしてしまった。冗談だろうと思っていたのに、ウィルは本当に歌い始めてしまった。

……音痴だ。

「……あれ、どうしたのかな。顔がひきつってるよ」

「いや、その……。へたくそだね、ウィル」

「むっ、ひどいなぁ。そんなにストレートに言われちゃうと、へこむ」

あきれ顔で彼を眺めていると、ウィルはうなだれて、美菜の胸に顔をうずめた。

「っ!?」

ぬるっ、となにかがふくらみの先端に這った。両肩を弾ませて彼を見おろす。

「なっ、なにを」

「うん、ちょっと。葉っぱの先についてるピンク色の雫を食べようと思って」

その言葉のあとすぐにウィルは乳頭にぱくっとかぶりついた。

「ちょ……っ!」

彼の口腔は熱い。含まれてしまった乳首は舌で転がされている。

「あっ、あぅ……っ! んっ、ふ」

ウィルのへたくそな歌のせいで緊張が解けていたからか、乳首を舌でなぶられもたらされるのは快感一色だった。
じわじわと込み上げてくる官能に恐怖を感じるいとまはない。美菜は身体をくねらせて喘ぐ。

「んぁっ、あ……! やっ、そんな、吸っちゃ……!」

じゅるるっと大きな水音が聞こえた。ふくらみのいただきをもぎ取られてしまいそうなほど強く吸い上げられ、美菜はさらに息を荒くする。

「吸うのはいや? でも、気持ちいいでしょ」

「ふっ、う」

乳頭を唇ではさんで舌で押し出しながらウィルは顔を上げた。唾液で湿った左の乳首を指でつまんでひねりながら美菜を見つめている。乾いているもう片方の薄桃色も、指の腹で転がしていじっている。

「こんなに大きく硬くふくらんで、興奮してるんだね。コリコリしててすごくおいしかったよ。コッチの乾いてるほうも、食べていい?」

「だ、だめ……っ!」

「食べさせてよ。僕のこと召喚したんだから、これくらいは、ねえ?」

それを引き合いに出されてしまうと、なにも言えなくなる。美菜は力なくふるふると頭を横に振った。
いやだとハッキリ言いたいのは理性的な部分。
しかし先ほどの愛撫で官能を呼び覚まされてしまって、強く拒めないでいる。

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