満員電車のデキゴコロ 《 04

「ふっ、あ、ぁ……っ」

 大きな手のひらがふたつ、わき腹を撫でたどって這い上がってくる。ゆるくなったブラジャーはたやすく押し上げられ、その内側へと温かな両手が入り込む。

「……やわらかい」

 優人は小ぶりのふくらみを両方とも手のひらにおさめて言った。

「んっ、ぁうっ」

 下から持ち上げるようにやわやわと小さな胸を揉み込まれ、恥ずかしさでいっぱいになる。

「ゆう、と、くん……っ。や……ぁっ」
「ん……。俺にこうされるの、いや?」
「や……じゃない、けど……。私の胸、その……小さい、から」

 美奈の頬は真っ赤に染まっていた。優人は彼女の初々しい反応を見て口角を上げる。

「俺はすごく好きだよ。俺の手のひらに、すっぽりおさまる」
「ひぁっ……!」

 乳首を指のあいだにはさまれるかたちで胸をわしづかみにされた。ふくらみの先端を、そこには触れず乳輪を押すことで揺り動かしながら優人は嗤う。

「さわってないのに、勃ち上がってるね? 美奈ちゃんのココ」
「うっ、んくぅ……」

 薄桃色は細長い指のあいだで硬くしこって踊り狂う。クニクニと執拗に、じれったく揺らされている。

「ねえ、ここ……持っていて。美奈ちゃんの綺麗な乳首が隠れてしまいそうだ」

 優人が美奈の白いエプロンの端をピンッと人差し指で弾く。
 言われるまま、美奈はエプロンの両端を指でつまんだ。

(や、やだ、私ったら……)

 胸を見られるのは恥ずかしいと思っているのに、それとは相反する行動をとっている。
 しかし彼の言葉にはどうしてか逆らえなかった。強いられているわけではないのに、素直にしたがってしまう。したがわなければ、このままずっと敏感なところには触れてもらえないような気がした。

「……いい子だね」

 子どもあつかいされても、それほどいやな気はしなかった。理由はわからない。

「っぁ……!」

 胸を揉みくちゃにされることで際立っていた薄桃色の先端に彼の指が触れる。

「あ、ぅ……っ」

 自分でさわるときとはまったく異なる感覚に、戸惑ってしまう。
 優人は壊れものをあつかうように、慎重に美奈の乳首を指でこねた。

(気持ちよくて、ふわふわする……)

 甘い声が自分のものとは思えないし、優人にこうして触れられているのも、どこか現実味がなかった。彼がとても柔らかな手つきで乳頭をこねくりまわしているせいもあるのかもしれない。

「美奈ちゃん、痛くない? 平気?」
「ん……。へい、き……」
「じゃあ、もっと強くしてもいいかな」

 美奈が同意する前に、優人は指に力を込めた。

「ひぁっ!?」

 堰を切ったように突然、強くなった刺激に驚き、目をパチパチと瞬かせる。

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